ジャイロキネシス

 ジャイロキネシス





   
  一週間に一回、午前10時から11時半まで6回。

  トレーナーの中川さんに、みっちり教えてもらった。

  柔軟な身体に、なることはできなかった。

  でも、自分の身体と「会話」できることを知った。






  なんといままで、自分の身体をいじめてきたのだろう。

  トレーナ―の奏でる話は、心にすっと溶け込んだ。

  可動域を狭めない、動ける範囲を自分で確かめて。

  動こうとする、ごく当たり前のこと。

  ”すべて”神様が、与えてくださったもの。







  原形は、猫みたい。

  太った猫でもないし、犬でもない。

  逆さに落ちて、宙返りする猫を想像する。

  トレーナーを受けている間、イメージ作りは欠かせなかった。

  トレーナの身体で表わされること、放たれる言葉とかみ合わせる。







  最後の授業で、

  「足るを知る」「肥満」に言及されるのかと、

  予想をしたが、そこまで至らなかった。

  ジャイロキネシスの方向性を考えてみる。

  ダイエットを考えるか。

  アンチエイジングをめざすか。

  若々しさを求めて、女性をターゲットにするか。




  
  男性は、私一人だけだった。






  飽食と、明らかに対比させる運動だと思う。

  自分の身体と、対話する。

  無理をしない、痛いと感じることはしない。

  人のやっている行為は、矛盾だらけ、それが面白い。








  金を蓄えると、肥満に近づく。