保険でより良い歯科技工を〜日本の入れ歯を守ろう〜

  「保険でより良い歯科技工を〜日本の入れ歯を守ろう〜」


  

  主催:「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会







  市民講座

  メディアに惑わされない食生活

  その講演の前に、雨松さんの司会のもと、

  歯科技工士の現状を説明して頂きました。

  以下、資料の中から抜粋。



  

  国民の医療を支えてきた歯科技工

  『とくに歯科技工士の状況は極めて深刻です。保険点数で定められた技工料が

  安すぎるため、低賃金・長時間労働を強いられているため、20〜30歳代の

  若い歯科技工士の離職率は8割になっています。歯科技工士を養成する歯科技

  工士学校も廃校が続いています。このままでは、日本の歯科技工の人材と技術

  の継承が危ぶまれ、ひいては日本人がはめている入れ歯約2000万本の質と

  安全性の低下のおそれがあります。』






  歯科技工の現状

  『歯科技工士をめざした若者が離職する最大の理由は、技工料金の安さゆえの

  超長時間労働、超低賃金といった労働環境にあります。

  歯科技工は、「模型作り」「トリミング」「ワックス・アップ」「埋没」「鋳造」

  「適合」「研磨」という、非常に複雑で、時間のかかる手順を経て作りますので、

  時給に換算すると、最低賃金以下からそのぎりぎりの571円〜889円という

  試算があります。

  このような待遇条件の悪さのため30歳までに約8割が離職し、新人技工士も

  10年前の約半分に減っており、このままでは高齢化のピークとなる10年後の

  2025年には1万人減少し、歯科技工製作の担い手が不足してしまいます。』







  無資格者が作った海外技工物が流入したり、歯科技工士法をめぐる問題

 『これまで1955年に制定された歯科技工法(現・歯科技工士法)により「歯科技

 工を担うもの」と「歯科技工が行われる場所」が法令の下におかれることで、歯科保健

 の安全と質が担保されてきました。ところが、国外で日本の歯科技工士資格を有しな

 い者が日本向けの歯科技工物を作成し輸入されることが問題となっています。国外で

 の無資格者による歯科技工物の輸入を放置したままでは、国内でも無資格者が歯科技

 工物を作成することの歯止めがきかず、安全と質が保障できなくなります。これまで

 歯科技工士法に基づき歯科技工物に国家資格が必要とされていたのは、歯科技工物が

 それを装着された患者さんの人体に極めて大きな影響を与えるからです。物理的不具

 合があれば患者さんの肉体的な被害とともに、薬品と同じ様に人体の健康に大きな影

 響を及ぼします。




  薬事法では医薬品の製造や外国製造薬品を含めた販売に対して厳格な規制が設けら

 れています。昨今では、農作物や日用品など医薬品以外の物品ですら、外国製の物品

 のリスクが問題になっています。口の中にはめる歯科技工物は直接的に人体の健康被

 害のリスクがあるからこそ、その質と安全を担保するために、国家資格社者としての

 歯科技工士の身分が保障されるべきです。

  それが同時に、長時間・低賃金状況で離職者を大量に生み出している現状を改善す

 る道にもつながります。』






 低医療費政策を転換し保険点数の大幅引き上げを


 『保険点数を引き上げず、保険の範囲を広げない国の低医療費政策により、そのしわ

 寄せを受けているのが歯科技工士・所です。歯科技工士・所の待遇改善をはかるよう、

 歯科技工物の技術料は大幅に引き上げられるべきです。』


















 ほとんど割愛させていただきました。

 後半にもっと力を入れなければなりませんでした。

 この10年間と、これからの10年間、みなさんはどう予測されるでしょうか。

 今までやれてこなかった政府は、これから無理だと思うのが自然です。

 




 日本の労働のあり方を、国はどう捉えてきたのか。

 大企業、中小企業に関わらず、この技術を受け継ぐに値する国だったのか。

 歯科技工の一端をみて、歴史を知ることができます。

 この国は、ホワイトカラーの視点から抜け切れないまま、

 いつまでも脱却できていないと、行間から見えてしまったのですが・・・・。

 アウトソーシング、委託病です。