三分で着きますから

三分で着きますから




  デイサービスの電話で、ふんいきが盛り上がり状態。

  週二回のデイサービスが、火曜水曜と連絡されたとき。

  受入側と収容される側、双方とも安楽なやりかた。

  緊張はさけて、気分を和らげたい、その気配を感じる。




  高揚した顔をして、迎えのバスに乗っていった。

  デイサービスの日程で、何をするのか尋ねた。

  細かいことは、何もわからない。

  会話が続いているようだ、これが味噌だと思う。





  女性と違い、一人暮らしの男には会話がない。

  この年代の男性に生まれた、宿命だろう。

  現役の若かったときに、社内で話し合っただろうか。

  ややもすると、感情を発露することなく、その日を終えた。
  




  その日の活動記録の綴りを、持っていくのを忘れた。

  3分でデイの車が到着するという、連絡を受けた途端気分が。

  主人のいなくなった部屋に、取り残されたケイタイがひとつ。