公開授業

公開授業



  講演の内容を聞きたいというより、学校を見学したい。

  その気持ちが強かった、大人が入れない領域、その極端な

  ものが、学校の施設そのもの。




  玄関を入ると、プレッシャーが蔽いかかる。

  手には二つの杖。

  スリッパに履き替えなければならない、そして

  脱いだ靴をプラスチックの袋に入れる。

  両手に杖、靴をもって、不安定なスリッパの足。

  倒れてもおかしくない、不安定さ。






  靴を脱ぐよう指示した、受付は、名前を尋ねチェック。

  名前の欄に丸印、次回は参加されますかとまた丸印。

  電話による申し込みでは、参加する意思を伝えた。

  足がひ弱な私は、開演時刻より早い目に入場。

  




  スリッパは、転び易い。

  足の不安定な高齢者にとって、好ましい履物ではない。

  時間が早いせいか、教室まで付き添ってくれた。

  参加者ふたりが、エレベーターに乗る。

  廊下にベンチがあったので、ひとやすみする。






  館内は、質素そのもの。

  教室ではなく、講堂であった。

  その講堂へ入る前、三段の階段が設けられている。

  もちろん、手すりはない。

  大きめの段差、高齢者向きの階段ではない。







  三階にある講堂、高い窓にお日様が入り込んでいる。

  高い窓に、カーテンが備えられているが、カーテンのひき方がわからない。

  自動のカーテンには、見えない。

  レジュメが机に配られている、その後方に座った。

  講堂の天井に眼を向けると、一つ電気のつかない蛍光灯が。







  座っている後方から、冷気の吐き出すクーラーが稼働している。

  そこへ素直そうな高校生が、席に座り始めた。

  20名ぐらい、一クラスか、1学年か。

  講義は、歴史の話。

  この学校は、大丈夫だろうかと案じた。






  
  気分が悪くなり、講義途中で退席する。

  エレベーターのスイッチを押すが、点滅しない。

  周りの人に尋ねると、「ランプがついていないですね」。

  それを聞いて、スリッパで階段を降りる。

  危険そのもの、階段はやはり、講堂と同じ段差が大きい。

  すべて、健常者専用で設けているのだろう。






  帰り際、エレベーターの電源の話をする。

  参加者が一斉に動くと、電源を入れるという。

  非常時の際を、前もって考えているような計らい。

  使用電力が、思うような数字に挙がっていないのだろうか。





  幼子が中学校に上がるまで、あと10年。

  その10年耐え忍ぶことが出来たら、この学校も心機一転が

  叶えられるかもしれない。

  規模の縮小を学校に強いることは、至難。

  講堂に集まった大人たちの、あたたかい支援があれば、

  まだまだこのまま運営を維持できる。