高齢者にインタビュー

  高齢者にインタビュー




 身内や親戚でもない、おうちを突然訪問し、今まで

 経験したことのない発見をしました。

 親父やおふくろと話しているような、こころ持ちになって

 楽しい時間を過ごせました。




 ひとりきりになってモノを考え、会話を楽しむことは、

 脳の刺激になって、いい方向につながると思う。

 高齢になると、ややもすると人様は、道端の置物のよう

 に関わろうとはしない。

 会話を大切にする、習慣は日ごとにおろそかにされる。

 自分の人生を奪われるかのように、時間を使って、

 語り合おうとはしない。

 
 対象先を紹介いただいたことで、インタビューが形なりに

 こなせたかもしません。毎朝早くから、畑や野菜をこしらえ、

 できたばかりのキュウリやトマトを、親戚や知人に配送する。

 旅に出て家を空けるのは、まずない。

 働いていないわたしからみれば、これこそ「現役」の仕事を

 しているように感じました。




 このインタビューは、おもに独り暮らしの高齢者に当てました。

 たまたまですが、子供が成長し家を出て、同居されていない高齢者に

 お話を伺ったことになります。

 子供が出て行った理由を、どう考えるか、その答えをさがしてみると、

 ひとりになって暮らすためのモチベーションをいかに保つか、

 理由を見つける必要がありそうです。




 働く理由は、表面上、経済的なモノととられがちですが、それだけではありません。

 大人になった娘や息子が、住まいを選ぶという側面からみれば、実家の家から

 離れるということは、<共に暮らしていきたい>父親からするとみれば、

 「選ばれなかった」という気持ちになったことでしょう。

 昔は子どもであった、息子娘たちにとって、周りに働く職場がなかった。

 両親にとって孫になる、幼子たちの学校が存続できない。

 少し歩けば、生活必需品が変えるという、環境ではなくなった。

 客観的には、国や自治体による影響が大きいと言わざるを得ません。

 これからは、その影響が少なくなるよう何をすればいいのか、

 みんなで考える習慣を持ちたいものです。






 7人の高齢者とお話をして、”対話 ”のもっている「強さ」をつかみました。

 経済のことは、個人のこととして話題にするのは難しいです。

 会話する相手のことを考えたり、いま悩んでいる・楽しんでいることを

 お互いに打ち解けあってシェアをする。

 話すことから自分の考えが修正され、鮮明に前が開けてくるかもしれない。

 自分を見つめなおすことも、できるような気がします。






 
 どうかすると、高齢者といえば、周りにいるものが黙ってしまって、

 会話が続かないという流れがあります。

 若い者が言うことを聞かないとかの、思い込みがあります。

 そう考えがちですが、実際高齢者の皆さんは、いつまで経っても現役である

 ことを誇りに持ち、毎日周囲から期待されて働いておられるわけです。


 


 この状態がそのままで変わらないとすれば、高齢者の働きは若者の働きと、

 何ら変わることなく競争相手となり、お互い研鑽し尊敬すべきライバルに

 なる人なのです。

 働く人たちがいなくなる、国家なのです。





 ここまで書いてきて、大勢の高齢者の中で、マジョリティでない部類の

 高齢者の方へ、インタビューを試みたのではないかと考えるようになりました。

 車にも乗れ、周りの人たちに絶えず見守られ過ごしている。

 電話を掛ければ、すぐさま買い物に一緒に出掛けてくれる親戚。

 休みの日には、孫たちをつれて家に泊まりに来てくれる。

 国や自治体の陰が、薄い地域ではなかったか。