裁判で

裁判で






 2日前に、蚊をみた。

 咬まれても仕方がないと思える、日差しの強い日が続く5月。



 電車内のクーラーが、季節の目印であった、かつての日本。

 あの日から、電力消費に神経を注ぐコスト意識。

 乗客の気持ちがわかった車掌こそ、クーラーのスィッチに神経を配る。



 暑い、蒸し暑いからと言って、スィッチを入れられない。

 その時代は、この3年で通り過ぎてきた。

 クーラーのスィッチを入れるのを、客が待ちきれない。



 電車のガラス窓は、乗客の手によって開けられる。

 ついに、交通機関と乗客の、意思の疎通がうまくいかない。

 まるで穴の開いた、冷蔵庫。



 暑い、寒いは、個人的な感覚か。

 密室であるがゆえに、交通機関と乗客の間に、

 信頼がなくなると、困ることになる。




 今の季節だからこそ、わかることがあった。

 裁判所とその周りの作業室の、生活環境が、

 最悪だと、感覚からつかんだ。


 
 廊下を歩くと、むせかえる。

 室内の蛍光灯が一斉に点灯され、まぶしくて、

 知らないスタジオのような場所。

 圧倒的な経済力を、見せつけているのでしょうか。



 運営コストなど、考える必要はない。

 予算の制限もいない、採算を問題にすることもない。

 無尽蔵に、お金が使える組織。



 いつもなら、その点灯されているその地域は、

 常時、クーラーが稼働されている施設だろうと、想像しました。



 さすが稼働するに、ドアを閉めてクーラーをつけるのは、躊躇したのでしょう。

 そのほかの場所では、クーラーを掛けるほど、室温が高いわけではない。



 他の場所では、異常なほどに「暗い」明るさなのです。

 この施設では、「明るさ」と「室温」は共存できません。

 吹き抜きの、ぜいたくな設計なはずです。



 みなさん、ご存じのように裁判では、録音録画ができない。

 それでいて、「ケイタイ」がつかえる裁判を観ました。

 科学を管理するという意識が、みられない組織。



 コスト意識のないものが、社会を判定する。

 この裁判所が判断する、司法業界。

 なんか、それも納得できます。

 電力消費を削減しようとは、考えていない。