ゴジカラ村役場

パネリスト


田中 美貴 さん  ゴジカラ村役場株式会社
           元事務職員

森の中で高齢者施設と保育施設が共生する多世代交流自
然村「ゴジカラ村」(愛知県長久手市)内にある、吉田
学園「もりのようちえん」に長女が入園。卒園時にお母
さんボランティアとなる。区画整理後の更地になった雑
木林に植樹をする実行委員として参加し、1200人の
ボランティアと10000本の苗木を植える。その後、
移築された古民家のおくどで飯炊きをし、訪れる様々な
方と交流。2006年、ゴジカラ村役場株式会社入社、
2013年退社。


生き生きとしたミニ都市をめざして


 愛知たいようの杜が竣工して1年が経過した。杜に囲まれた環境良好なこの建物は、一つ間違
うと隔離病棟になってしまう。特別養護老人ホームとなれば、なおさらである。現に、僕たちが
見学に行った特別養護老人ホームは、このように環境良好なものが多くあった。しかし、いずれ
の場合にも、隔離病棟な運営の方法をとっていた。
 「たいようの杜」は、まずこの「隔離する」考えに反し、徹底して「開放する」老人ホームと
した。建築の考え方は、当然、運営にも反映された。
 というよりも、現在はもう建築の計画当時をはるかに越えてしまうような運営がなされている。
月平均1000人以上の人たちが来訪し、春夏秋冬を通じて四季の変化を刻々と伝える自然は、
手を入れずそのままの形として残されている。
「たいようの杜」を一度実際に見て来ていただきたいと思う。そうすれば、長所・欠点がよくわ
かるだろう。開放された老人ホームは、多くの人たちの息づかいを伝え、生き生きとしたミニ都
市を形成つつある。大井君が、卒論のテーマに「老人」をとりあげ、卒業制作にこの杜を選んだ
ことも、開放された老人ホームの一つの成果である。彼は、この老人ホームのコンセプトに共鳴
し、住人になってしまうという健やかな人であった。老人の生態を調べるには、実際に接して見
なければわからないことばかりである。高齢化社会という呼び声は高くとも、実際にその呼び声
に答えるような建築は、まだ見ることが少ない。
 建築と運営は一体とならなければ成果がない。それは最も簡単なことだが、実際はむずかしい
ことかもしれない。「たいようの杜」は完成してまだ1年なので多くのことを語るのは、さしひ
かえたい。なぜならばこの環境の中で、今のような考え方で継続してゆくことには、大きな負担
が要求されるからだ。ただ、運営にあたっている人たちが楽しく働いていることが、「たいよう
の杜」の最も大きな財産である。もちろん大井君もその貴重な財産の1人である。

                                      酒井  宣

 (以上、1988年 文化をつなぐ地域総合雑誌 C&D 第20巻より抜粋)



 新しい視点     (ゴジカラ村役場資料)




 時間に追われない国

(家庭、地域、子どもや老人のいる暮らしの場)・・・・・ 生活集団

 ○いろいろな人々が一緒に暮らす

 ○遠回りすることが楽しい

 ○存在価値

 ○形容詞の世界

 ・みんな正解

 ・目に見えないものにもよさを感じる

 ・自然なもの(不揃い、多様)を面白いと感じる

 ○いいところを入れると悪いところが必ずついてくる

 ○いつも未完成





 時間に追われる国

(学校、病院、企業、軍隊等働く人たちのいる仕事の場)・・・目的集団

 ○同じ人たちを集める

 ○最短距離を最高の効率で(終える)

 ○能力価値

 ○数値の世界

 ・正解がある

 ・目に見えるものを評価

 ・人工物(規格品)を必要と感じる

 ○悪いところを切り捨てるといいとこになると思っている

 ○完成解決をめざす




☆この50年、追われない国から追われる国へ行くための教育


→家庭・地域が目的集団となってしまっている










 まちなみシンポジウム in 大阪


 多世代交流によるコミュニティー再生




 主催: (一財)住宅生産振興財団、日本経済新聞社

 
 後援: 国土交通省住宅金融支援機構都市再生機構

    (一社)プレハブ建築協会関西支部




 
 
  以上、いただきましたレジュメの一部より