新自由主義の弊害とベーシックインカムの罠

新自由主義の弊害とベーシックインカムの罠


 主催:山中鹿次さん


 NPO法人近畿地域活性ネットワーク代表



消費税値上げや生活保護費削減の動き、奨学金の返済問題も
憂慮される中、国民にあらかじめ一定の現金給付を行うベー
シックインカムを求める意見があります。
しかし、この制度の導入は今の新自由主義をますます加速さ
せる懸念もあり、今回はこの問題についての報告と意見交換
を行います。



 討論Bar ”シチズン ” Real Time Media Studio




最近の日本の新自由主義化までの流れ
貧困対策は重視されてきた


・昔から貧富の差や貧困は当然あった。だが19世紀以後の社会で、
 一方には社会主義運動や、企業経営者にも勤労者を豊かにするこ
 とが経営にもプラスになる思想。


・保守政治も貧困対策は重視された


占領政策でもシャウプ税制と呼ばれるアメリカらしくない累進税
 率重視、高額所得者の税負担がきつい税制。


・また物品税のように高額所得者が主に買う物品には、税金がかか
 っていた。


・1973年は福祉元年




日本の新自由主義化への流れ
中曽根内閣の頃が発端


・臨時行政調査会などの流れの中で、国鉄民営化や累進税率の引き
 下げが進んだ


自民党内閣でも80年代半ばまでは、高い最高税率が維持され、
 消費税ではなくぜいたく品のみ課税の物品税


・1980年代のレーガンサッチャーネオリベリーダーの登場
 と社会主義国の崩壊と、国内の労組叩きの流れと運動衰退が貧困
 の衰退に


・派遣法の成立はこの内閣で





1995年の阪神・淡路大震災頃に
 小泉・竹中路線への前兆が


・1992年頃からバブル崩壊で学生の就職難など起きはじめるが、
 今ほどは貧困は深刻化しなかった。


・ほとんどの会社は給与を上げていたし、バブル崩壊で地価が下が
 るなどある意味可処分所得は高かった


・ところが1995年は戦後50年。そこへ阪神・淡路大震災
 オウム事件に。


・社会的弱者の救済には震災を契機にNPO法案の成立などはあっ
 たが、それより強く右傾化の流れに


・その少し前から藤岡信勝らの「新しい歴史教科書」それに漫画家
 の小林よしのりが呼応し、左翼叩き→そこに衆議院小選挙区
 度導入で、社会(社民)共産など勤労者基盤の政党の衰退が加速


労働組合叩きにより拍車。小林は後に小泉・竹中路線批判に尽力
 するが、1995年頃からの左翼叩きが後の小泉・竹中路線に若
 者が支持を寄せてしまう契機を作ったことは否めない。


・また労働運動の敗北感→衰退がスパイラル状態に



以上、資料31表の一部



次回「ベーシックインカムと継続的な経済について」


  主催:西岡正士さん