社会性のこころを育む脳

「こころの教育」連続講演会


主催:追手門学院大学 教育研究所





「社会性のこころを育む脳」


苧坂直行

京都大学名誉教授
1946年京都市生まれ。元京都大学文学部長、同特任教授・副学長補佐。
専門はワーキングメモリ、意識及び社会脳の認知心理学・認知脳科学

主な著書:「意識とは何か」(1996 岩波書店)「心と脳の科学」
(1998 岩波書店)「笑の脳」(2010)「道徳の神経哲学」(2012)



健全な社会性は自己と他者の協調、共感や対話を通して育まれるが、
その背景には他者の心や意図をその時々の状況に合わせて想像でき
る豊かな社会脳のはたらきがある。脳の前頭葉などを中心とした社
会脳ネットワークのはたらきをワーキングメモリや社会性障害など
を中心に見てゆきたい。


以上チラシより




生物脳と社会脳


社会脳(協調・共感・対話)


ワーキング・メモリー(知性脳)

うれしい・悲しい(情動脳)


われ思うゆえに社会あり


知覚脳から社会脳へ



脳に電極を植え込み、電気刺激によって生じる動物の
行動を観察する。そういう活動を通じて心理学の研究を
する。


知識の少ない市民にいま研究している話を、丁寧に
解説していただける。
話しの節々に、楽しい・楽しくなければ何もできないという
フレーズで説明がつづく。


人に研究している分野を、説明し公開するのは、
誇らしく愉快な仕事かもしれない。未知の世界を訪ねた、
そんな思いがした。
心理学の新たな扉へ、導いてもらった気がします。


二階に上がった高齢者が、何をするために昇ったのか、
忘れてしまう、その様を現実に経験している。
認知症になりつつある者が、どういう軌跡でもって
変わっていくのか、自ら振り返りたいものです。


高齢者や介護を考えるうえで、身近なものとして学んだ気がした
のですが、脳そのものに対象物を見出しているのかもしれません。
講演で語られた、いかほどの部分を私がわかっているのでしょうか。


女性と会話・議論する機会が、たまたま重なりました。
うまくかみ合いません、私の考えるところの、心の動きや発想を
説明しました。私が言葉足らずなのでしょう、うまく伝わりません。


議論している内容を、話している相手への感情の嫌悪感や尊敬を
度外視しする。
話される言葉だけに神経を集中する、そういう討論にすることが、
とてもむつかしい。
ストレートに言うと、セミナーの講演で否定的な発言をすると、
裏返しされている内容を、受け入れて考えるということが
「できない」女性が、印象に残っています。


女性の得意な活動の分野である、コミュニティ形成に多くの影響を
与え続けてきた実績はなおも続いている。
環境に応じて今あるコミュニテイを生かす、さらに新たな
コミュニティにも社会性を発揮する能力を備えておられるにもかかわらず、
議論の中身にだけに焦点を合わすことができない。
そのように、かみ合わなかった事象を理解しています。


社会学の学術分野で、女性の活動家が少ない。
このことが、女性の活動分野を狭めている要因の一つになっている
ような気がします。
討論で攻められている、押されているという感情が正面にくると
会話が途絶えてしまう。
盛り上がる感情を求めて、会話が進むのかもしれない。


知性脳と感情脳の活動は、同時に働くものではなく、どちらか
一方が脳の大部分を取り仕切ると、他の部分は一方的に働きを
制限されてしまう。
そのようになってしまうのではないか、考えてしまいました。