もういいかい  ハンセン病と三つの法律

主催:特定非営利活動法人 one village one earth


もういいかい

ハンセン病と三つの法律


そこは本当に療養所だったのだろうか

監督 高橋一郎

語り 鈴木瑞穂

日本・2012年・ドキュメンタリー


人は「病む」存在

ハンセン病問題はこれからの私たちの社会を考える上で、
大切なことを教えてくれます。それは「すべての病む人が
安心して生きていける社会を作ることです」。人は病む存
在です。どんな病を抱えていても人は平等に生きていける
権利を持っています。私たちが病気になっても安心して生
きていくため、ハンセン病問題は繰り返し語らなければな
らないと思います。

         監督・高橋一郎

宝塚大学造形芸術学部准教授、映画監督
原発アトピーなど、環境や食をテーマに作品を作り続け
ている。
主な作品に「24000年の方舟」「奇妙な出来事アトピー」他。



絶対隔離と国民的忘却

住み慣れた地で平和に暮らしたいーそんな素朴な、ごく当たり前の願いが、
ある日突然、国策という名のもとに奪い去られた人たちがいました。彼らの
運命を決定づけたのは三つの法律ー「癩予防ニ関スル件」(明治40年)、
「(旧)癩予防法」(昭和6年)「(新)らい予防法」(昭和28年)です。

 強制隔離された人たちは、名前を変えさせられ、ふるさとへの帰郷は許さ
れませんでした。ハンセン病という理由だけで、この地でひたすら死を待つ
生活を強いられたのです。人々の視界から消し去られ、記憶の外に追いやら
れた人たち。子孫断絶を強いた断種・堕胎、国内労働による手足の障害、懲
戒検束規定による監房・重監房、国を挙げての無癩県運動・・・。

 この映画は療養所の中で何が行われ、入所者はどのような生活を送ってい
たのか、多くの証言に基づいてその仕組みと実態を検証し、三つの法律をも
とに展開された絶対的隔離政策等、百年にわたるハンセン病の歴史を描いた
作品です。   (2時間23分)


以上チラシより。



ごく当たり前の生活をする、そのための障害となるもの。
水俣病イタイイタイ病、三池鉱山の一酸化炭素中毒、森永ヒ素ミルク中毒、
カネミ油症、スモン病、ありとあらゆるものが溢れてきた。



科学が進歩するごとに、新しい病が登場してくる。
その障害に国は、真摯に立ち向かってきただろうか。
いくら繰り返しても、国としての役割を忌避することに奔走。



社会の進歩と、逆行して突き進んでいるのが理解できる。
後に残る者へ、すべて責任を回避している。
未来永劫、人として荒んだ政情を、何年も過ごさなくては
ならないのだろうか。



尊厳を持って科学と接している、とはとても言えない。
社会から強いられた生活に甘んじ、みずからの
「死を受け入れる」国民の習性がこびりついているようにみえる。



公害病と言っては、空気汚染を繰り返す。
次には、海に垂れ流して目に見えないそぶりをする。
かつて存在した後進国と変わらない、科学の認識しかない。