高瀬舟と  下町

 


 
 
  高瀬舟   1916年
 

  著者  森鴎外



  下町    1949年



  著者  林芙美子




 読んだこともない、朗読を聞いたことのない。

 本でした、読むにはそれなりの、動機があればいい

 のですが、CDの朗読作品です。






 読書と貧困、宗教との交じり合いを思います。

 宗教は、学校のように学問とふかい関係がある

 ように感じます。裕福でなくとも日ごろ食事に

 苦労していない、人たちが、学問を学び、宗教に

 興味を持っているのでは、と考えます。






 戦時中や戦後、朗読を聞いていますと、男と女の

 話はあるのですが、宗教の話は持ち上がりません。

 どこの作品も挙がりませんでした、その反動でし

 ょうか、現在はあふれかえっております、まるで

 事業のようです。新興宗教です。






 宗教の施設が、大都会の真ん中にそびえ立っている

 ので違和感を覚えます。なぜそこに立てなければい

 けないのか、広告塔でなければならないのですか。

 その宗教の数が、想像以上増えています。その根

 拠は、貧困と連動していないだからではないか。

 貧困者を救おうと、試みてはいないはず。






 
 話は、移って学問です。

 学問は、大衆の力になり得なかった。

 弱者を支援しようとは、しない。

 貧困を救うため、どんな使命を持っているのか。

 学問は、支えになったことがあるのか。






 ふと立ち戻って、医学に立ち戻ってみよう。

 経済に追われて薬をながめてみる、この薬

 私たちは、ほんとうに薬を知っているのだろうか。

 この薬の意味を理解しているかどうか、

 この薬生かすことを心得ているか、

 それに学問が関わっていると思います。








 懐にあるお金を渡せば、薬を頂戴することができ、

 体を変化することができる、そこへ考えをもたらすことが

 大事なのに、効用ばかりに心が焦る。

 学問とは、ほど遠い世界だ。