国会を開かず、外遊なんか絶対できない
火垂るの墓 2001年 (株)新潮社
著者 野坂昭如
朗読 橋爪 功
昭和20年、空襲に見舞われた清太と節子は母を
失い、家を焼け出された・・・。敗戦前後の神戸
を舞台に、14歳と4歳の兄妹が浮浪生活の末に
餓死するまでを描いた直木賞受賞作。悲惨さの中
にもファンタスティックな美しさをちりばめた、
著者にとっての文学的原点。
蛍川 横浜録音図書(株)
著者 宮本 輝
朗読 松谷染佳
北陸・富山の春から夏へ季節の移ろいの中に父の死、
友の事故、淡い初恋を描き、蛍の大群綾なす妖光に生
死を越えた命の輝きを見る。芥川賞受賞作品。
本を読まず、映画など見る機会のなかった作品。
映像を通し鑑賞するのが、効率的だと限らない。
どれもこれも、読む観るは一度しか経験できない、
と思い込んでいる。その意味で視覚からの経験は、
偏りがちになる。
映画を見てからの原作の読書は、反省でしかない
と思う。
登場人物が何人出てきても、読み手がどの人物と
共感を覚えるかがポイントだと。
老人が若者視点を選んだり、少年が大人の立場を
想像することは、稀なこと。
年齢を飛び越えることは、至難。
芥川賞、受賞作、蛍、共通点がある。
二つの作品は、題名からして視覚的な要求を読む者
から、求められているのでしょう。
役柄を抱えている出演者のうち、誰を自分(読者)の
主人公にするか、それが原作本を読む意欲につながる。
主人は、ひとりしかなれない。
戦争をするにしても、金がない。
日銀を買っても、金ができないならば、
国会を開かず、外遊なんか絶対できない。
選挙なんて、とてもとても。
献金するに金が要るのに、大企業は、
この政権で何ができると信じているのだろう。
金は、この政治では生まれない。