貧乏、経済運

夜の道   2004年  (株)新潮社

 
 著者 藤沢周平

 朗読 竹下景子




 拾われて育ったおすぎの前に、実の母を名

 乗る人が現れる。十五年前にさらわれた自

 分の娘だというのだが、おすぎには当時の

 記憶がない。はっきりしないまま、五年の

 歳月が流れる。結婚し、子もなしたおすぎ

 は、夫婦喧嘩をきっかけに、生き別れにな

 った「あの日」の情景を思い出す。二十年

 待ったあのひとに、知らせなければ。おす

 ぎは暗い夜の道を「母」の許へと駆ける。

 子を思う親のこころを端正な筆致で描いた

 佳作。





智恵子抄    1997年  (株)新潮社

 著者 高村光太郎

 朗読 加藤 剛




 明治の末、二人は出会い、恋に落ち、結ば

 れた。しかし、そんな幸福もつかの間、智

 恵子に病魔がしのびよる・・・。因習に抗

 し、ひたすら人間のあるべき姿を追い続け

 た彫刻家高村光太郎の全生涯を貫く愛の詩

 集『智恵子抄』より。















貧乏じゃない、貧困ではない。

 そう思い込んでいる、ほとんどの人が。

 金を持っているかのように、淡白な表情をする。





 国民が黙って生きているのに、政府の職責を抱えた

 人物が少額な金額に心を動かされていたと。

 これからいい目に会うはずの、重要な立場の人が、

 1000万円の汚職をした。

 なぜ今しなければいけないのか、もっと先にやろうとしなかったのか。







 大阪、国や政府。

 金にきれいだと誰も思い込んでいるのに、

 それも一番大事な時に、秘密を暴かれてしまった。

 秘密保護法があっても、収賄を黙らせることができなかった。

 近い将来にしても、彼らによって、金をかき集めることはできないだろう。

 金を呼び込めないだろう。





 
 貧乏国、生涯貧困にとどまって生きなければならない、

 その宿命をふと、この瞬間に感じた。

 金運、経済運とかけ離れた生活をこれから過ごすのだろう。

 ババつかみの始まりである。






 若者たちは、この政府をあきらめ年金を当てにしていない。

 だから年金を株に投資しても、黙ったままでいる。

 しかし、政府が株に投資すると、何もかも「ごわさん」になる。

 高齢者の手にある年金も、博打の賭場に懸けてしまった。

 彼らは、経済に疎い民族である、それがじわじわと見えてくる。






 職責を感じず、己の姓さえ忘れてしまった。

 日経平均の株が下がっても、悩まない烏合の衆なのか。

 今年になって、株の上がった日が、何日あったかそれさえ頭にない。

 選挙資金のいらない、特殊な人なのか。

 まともな人なら、選挙はできないはず。
 






 大臣でこれなのだから、議員の内ポケットは、

 もっと寂しいモノでしょうね。