将監さまの細みち

罪と罰



  罪と罰   ドストエスキー  (1821年〜1881年)

  朗読    江守 徹

  2002年  (株) 新潮社  発行


  『罪と罰』は、世界でも最初の都市小説の1つである。

  都市に住む人間はだれもが孤独な場所に置かれている。

  孤独はゆがんだ空想を育て、その空想が現実と交差する。

  現代にも通ずるそういう感覚をドストエフスキーは、

  この小説で予告したのだった。

  江川 卓



  将監さまの細みち


 
  将監さまの細みち  山本周五郎  (1903年〜1967年)


  朗読 長山藍子

  2003年  (株)新潮社 発行



  
  病身で怠け者の夫と、自分を心から想い、

  不幸な境遇から救い出そうとしてくれる

  幼なじみの常吉

  二人の男の間で揺れる岡場所の女おひろ

  の心を描いた周五郎の傑作。





  武家もの、商人ものでもなく、

  男の側でなく、女の側から描かれている。

  視線の新鮮さに驚かされる。



  じめじめした雰囲気を感じさせない。

  遠い昔だけのことかしら。



  個人的なこととして、周りから遠ざけられた。

  それを文学などで、人に伝えられていく。

  朗読として読み継がれていくことから、

  人の温かさを、親身に感じることができた。




  朗読として、作品を聞く〜余裕。

  至福の瞬間、私のために声が放たれている。