将監さまの細みち
朗読 江守 徹
2002年 (株) 新潮社 発行
『罪と罰』は、世界でも最初の都市小説の1つである。
都市に住む人間はだれもが孤独な場所に置かれている。
孤独はゆがんだ空想を育て、その空想が現実と交差する。
現代にも通ずるそういう感覚をドストエフスキーは、
この小説で予告したのだった。
江川 卓
朗読 長山藍子
2003年 (株)新潮社 発行
病身で怠け者の夫と、自分を心から想い、
不幸な境遇から救い出そうとしてくれる
幼なじみの常吉。
二人の男の間で揺れる岡場所の女おひろ
の心を描いた周五郎の傑作。
武家もの、商人ものでもなく、
男の側でなく、女の側から描かれている。
視線の新鮮さに驚かされる。
じめじめした雰囲気を感じさせない。
遠い昔だけのことかしら。
個人的なこととして、周りから遠ざけられた。
それを文学などで、人に伝えられていく。
朗読として読み継がれていくことから、
人の温かさを、親身に感じることができた。
朗読として、作品を聞く〜余裕。
至福の瞬間、私のために声が放たれている。