理由なき反抗   1955年  アメリカ

  監督 ニコラス・レイ

  出演 ジェームス・ディーン

     ナタリー・ウッド

     サル・ミネズ


REBEL WITHOUT A CAUSE

目的・主義のない反抗。



  51年サリンジャーライ麦畑でつかまえて

  54年プレスリーデビュー

  そして55年「理由なき反抗」。

  時代は変わる。

  十代の青年の大人の世界に対する違和感は、、

  今のものであり続ける。

  (コピーより)




  子供の年代、親の年代と職業。

  時代の背景と、生活の持つ経済性。

  具体的な数字がないと、イメージがつかめない。




  子どもの年齢が、16歳と挙げられた。

  それと同時に、高校生という学び舎が登場する。

  しかし、それでも親のセリフがKIDSと語られる。




  親の年齢は、何歳なのか。

  いまの私から見て、4〜50代に見える、なぜか。

  すべて裕福な暮らしがうつり、貧しさがみえない。

  いつものアメリカ、そのアメリカ社会を写していたのではないか。





  町中に大きな一軒家、そこへ若者が侵入してくる。

  さびれたその家は、中にプールが備えてあった。

  素行不良の少年は、たむろして警察の厄介になる。




  子どもたちが犯罪に巻き込まれ、その対策を町中で

  行うほど自意識の郄い大人はいなかった。

  古くから住んでいる土地の人は、居なかったかもしれない。


  それでいて、高校生で自動車に乗って遊ぶほど、

  豊かな家庭であった。

  その中にひとり、ピストルを所持する高校生がいた。




  映画にこめられたアメリカ社会に、変化があったろうか。

  貧しい暮らしが画面に出てこず、子どものストレスが溢れてみえる。

  真っ先に学校生活が描かれるべきなのに、満たされないこころの子どもたちが出てくる。

  うつとストレス、男の暴力に続いて心の病を女でも映していた。





  時代はうつり、離婚は日本でもあるようになった。

  社会から無くならないのが、ピストルと貧困の連鎖。

  暴力が蔓延するのは、貧困や差別からとすると、

  この描かれた若者の暴力の原因が見えない。

  新自由主義に向かう、前兆であったかもしれない。




  アメリカ社会を見る目として、家族の構成員がどう変遷して

  来たのか調べてみたい。

  子どもをもつよりペットを抱えるのが好まれる、特殊な国日本。

  子供を産むのを奨励された、日本ではない。





  1955年の映像から、病の社会を見た思いがする。