芝生療養中

芝生療養中




  
  背反。

  注意書きがあり、日本語がある。

  日本語、普通なら心に響くものがある。

  その日本語に「不信」が、こびりついている。

  いまの時代は、社会そのものが人に背を向けている。





  大阪市で、この総選挙の投票日から行われる事業。

  電力量を大量消費する、国への支援事業。

  そのなかの一枚。

  芝生へ立ち入らせないための、但し書き、「芝生療養中」。





  これを不思議だと思えない民族、労働者がいる。

  立ち入ってはいけない者が、堂々と芝生の上で作業をしている。

  入ってはいけないと断じた、側の方に立つ者が見も知らぬふうをする。

  この国の先が、真っ暗闇で見通せない、将来を暗示しているようだ。






  これが、大阪。

  もう一枚、同じ中の島付近。

  大阪地方裁判所、この総選挙たけなわの時にいそがしい解体事業。

  私企業のような、どさくさ工事か。

  なぜこの忙しい時期に、官の方が新装を試みようとするのか。

  民間経済の圧迫でしかない。

  



  建設や工事は、どんどん増える時に、どこにでも土地をもっているはずの

  国が、新しい施設を創ろうと解体を繰り返す。

  建設事業体への経済的支援でしかない。

  国や自治体だといって信用できない、ただの人間である。

  企業が国を越えて移動し、

  国や自治体が、コストを極端に削減する。

  効率良くしようとか、しくじりを学ぼうとかする考えはなく。

  何回失敗しても、恥と考えないくせに。

  国や自治体は、完全に私企業化している。

  国・自治体という概念は、壊れ始めている。







  彼らは、旧来の国や自治体のありかたを頭に描いている〜

  老人たちの死を待っている。