こわれゆく女   1974年   アメリカ

  A WOMAN UNDER THE INFULENCE

監督  ジョン・カサヴェテス

 出演 ジーナ・ローランズ
     ピーター・フォーク
     マシュー・カッセル


  
  神経症気味の妻と彼は、共に家庭を切り盛りする。

  彼はベテランの水道工事をこなし、職場での信望の高い人。






  https://www.youtube.com/watch?v=X4Uzdlgv2G8







  肉体労働というイメージを感じさせる職場。

  限界のギリギリまで働かされる、ブルーカラー

  イタリア、エスニックな人たち、か。




  家にどっと押し寄せ、パーティをする職域。

  職場と親戚など、数々のコミュニティ。

  主人公夫婦に、支援の手を差し伸べる、夫婦の親御たち。

  親戚のドクターが、世話を焼いてくれる。






  夜通し働く夫を頭から切り捨て、妻はひとり夜をさまよう。

  間違いを犯した妻を、決して問い質そうとしない脚本。

  3人の子持ち、母として行動を慎むよう求めない。





  題名の ” 女 ”「 A WOMAN 」 に 囚われている、

  自分を見つめることができた。

  大勢の同僚の前で、妻は奇異にみえる行動をする。

  同僚の前で、夫はうろたえた、恥ずかしさを感じたか。





  他人からみて、可笑しくない、人前に出して恥ずかしくない、

  楚々とした妻・母親の像を同僚に見せたかった。

  勝手な男だった、それがこの回でわかったこと。





  主人公である、この夫婦がそもそも生まれた時、兄弟がいたのか、

  いなかったのか、末っ子か、長子か、知りたかった。

  現代で数少ない、専業主婦にあたる、この家庭。

  社会に出ていない主婦、女性にとって風当たりの強い時代であったろう。







  母親として、感じられない、派手なデザインの衣装。

  綺麗な脚の見える、短いスカート。

  遠目からみると、普通の人とどこか違ってみえる。

  個性的な、一連の動作。






  女性しか、世間の風が当たらないと思われていた世代。

  時代が大きく変わって、社会へ飛び出す若者たち。

  その彼らが現実にもまれて、うつになり始めている。





  女性の専売特許では、なくなった、そのことを意識しました。

  この映像で表現されているものに、妻だけでなく夫も、

  同じ境遇で苦しんでいるかのように、見えたのです。

  神経症といったものは、病気である病気でない、

  それは紙一重の差だと思います。