セックスは 他人事

 セックスは、他人事




  群青の夜の羽毛布    2002年   日本

 監督 磯村一路

 原作 山本文緒

 出演 本上まなみ
    玉木宏
    野波麻帆
    小日向文世
    藤真利子

 
 
 母親に抑圧されてきた娘が、年下の青年と出会っていくラブストーリー。









 https://www.youtube.com/watch?v=7I9YNr-nTHM







 サスペンスタッチの話のなので、一風変わった家族の紹介なのか。

 2002年に観たとすれば、当時からすると中身を理解できなかった。

 母親と娘との精神的な葛藤に興味を持っていたが、これほど深くはない。




 家を継ぐ、婿を取る、家事手伝い、そして結婚というテーマを考えさせる。

 本質的に、家族はどうあるべきか、問われたものであるが、個人にとって

 軽く通り過ぎてしまう、部分でもある。



 
 避妊方法が発達して、出産につながらないセックスを使い分けができる

 ようになり、夫婦・男女関係はさらに多様性ある暮らしが可能になった。




 結婚に同棲、出産と避妊、社会的進出と専業主婦。

 いろいろなパターンを創造する男女関係が、可能になってきた。

 私には理解できない、男女関係もあり得る。




 結婚という事業を展開しないパターンもある。

 結婚しても出産に至らない、夫婦もあり得る。

 そのことを頭に入れないで、社会的な政策を進めたり、

 男女のありかたを決めつけてしまう、可能性を感じた。




 男女の営みには、最終的に出産という結論に落ち着くという、漠然とした

 モノを考えている自分がいて、それが科学的でなかったりする。

 女性が必ず、母性感情を持っていると過信したり、子どもを育てることに

 喜びを感じる人間だという、思い込みに近いものであったりする。





 裏返して言うと、安産する人もいれば、セックスに苦痛を感じる人もいる。

 全て個人的な経験に基づく、強い思い込みに過ぎない。

 ここで、結婚や子どもを産むことが、さらに言えば職業人というもの、

 人として経験をしなければいけないモノか、どうか考える女性が増えてきた。




 その表れが、少子社会と人口減少へつながっているかと問いかけができる、

 日本国であったろうか、と疑いました。

 都議会のヤジもこれにつながります、こういうことを考える人間が

 非常に少なくなった原因が、この国の将来を作っていると思う。





 出産という事業について、まだ現役の女性に尋ねたことがある。

 女性にとって、結婚という行動は必要でしょうか。

 女性にとって、出産行為は既定路線でしょうか。

 「めんどくさい」という感覚があるのではないか、子どもという選択をせず、

 「自分の人生に重きをおく」考えもあっていいのではないか。





 頭の中で、女性側からいろいろ模索しているのが、現状ではないでしょうか。

 恋愛に至る前に、頭で考える機会を、納得しながら経験しているかどうか、

 そのことにすべてかかっていると思う。




 出来ちゃった結婚では、考えられないパターンではあるが。

 結婚には至らないパターンの分析が、研究されていないだろう。

 突き詰めれば、セックスは、他人事である。




 祖母や母親とは違う、人生を歩もうとする、女性がいるとすれば、

 それなりにたのもしい存在でもある。

 突き詰めれば、セックスは、他人事である。