苦役列車

苦役列車   2012年   日本

監督 山下敦弘
原作 西村賢太

出演 森山未來
   高良健吾
   前田敦子




http://www.youtube.com/watch?v=qVY0w2Saa04




友、金、女なし。西村賢太私小説
このような映画が生まれたことに、乾杯。
中卒という環境が、生まれた時代によって大きな違いをもたらす。


かつては大卒、その次は高卒、さらに中卒となった。
人の働く条件は、何が必要か。
その答えを見つけようとしているのだろうか。


苦役列車』という題自体が、古めかしい。
この言葉遣いが、本の世界にはまり込んでしまった印。
あちらからのメッセージに、聞こえてしまう。


この映画では書籍に関わり、古本のバイト生に興味を抱く。
実在する本の中身でなく、恋心を持っている彼女の考えている、
すべてを知りたいがための「読書」か。


倉庫の積み替え作業、パレット移し。
フォーク作業免許。
運転時における、同僚の作業事故。
パレットの上で食べる、冷たい昼飯。


これほど労働環境を捉えた映像は、ないだろう。
主人公なら、管理者でなければ描かれない、細かい描写。
残念なことに、女性の労働者は登場してこない。


その主人公が、「かきたい」「かきたい」と声に出す。
なにを、なぜに、その「書きたい」思いを抱くのか。



それは、何もわからないが・・・・。
この映画の製作時の意図と、ほとんど同じ、
働くことの意味を、働く人たちが意識せず、動いていること。



掃除ロボットと同じ。
企業・仕事・国・自治体・組合など、
将来のことをなんら考えずに、手足を動かしている。
誰しもが、自分のしていることに、
なんら、自覚していないことではないか?
一瞬の、憶測に過ぎないが・・・。