住み開き
パネリスト
アサダ ワタル 日常編集家
事編 kotoami 代表
1979年生まれ。公私の狭間、異分野間を漂泊しながら、
既存の価値観を再編集する表現を文章、音楽、プロジェクトを
通じて創作・提案。著書に『住み開き 家から始めるコミュニ
ティ』、『編集進化論 edit するのは誰か』等。雑誌『ソト
コト』『マガジン航』等で連載。音楽を主体にワークショップ
を展開し、ドラムを担当するSjQ++(HEADZ) にて、アルスエレ
クトロニカ2013デジタルミュージック/サウンドアート部門
準グランプリ受賞。神戸女学院、プール学院大学にて講師、
滋賀県立大学大学院環境科学研究科博士後期課程にて院生。
日常編集家って、何ですか?
日常を文化やアートで編み直す
「よく、聞かれます。もともとは音楽をやっていて、町の音や
人の会話などでサウンドコラージュをしていました。音楽でいう
リミックス。そのうちに、日常の出来事を文化や芸術をツールに
して、様ざまな分野に投げ込んでいくことで新しいものや場、関
係を作っていくことに興味を持ちました。日常の中の人の関係性
を編み直して活動、それを日常編集と呼ぶことにしました」
そのいちばんわかりやすい例が、「住み開き」だとアサダさんは
言う。「住み開き」とはアサダさんが考え出した言葉で、プライ
ベートな空間である自宅を少しだけ外部に開放すること。周りを
眺めると、「住み開き」をしている人は少なからずいたし、その
”開き方”は千差万別だった。
①住み開き
自宅というプライベートな空間を活用し、いろいろな人が集まれる
パブリックな実践を行うこと。その分野は、アート、福祉、農、文
化交流、まちづくりなど実に多彩。だからこそ、誰もが自分の暮ら
しを外に向けて発信できる可能性が感じられる。それらケースは、
著書『住み開き』にまとめられている。
今年の春、琵琶湖に近い大津市の長屋に引っ越したアサダさん。古
い長屋は、友人たちとリノベーションしたという。「(滋賀県の)
近江八幡や高島町とは違い、ある意味、大津市には色がないし、僕
にとっての強いコミュニティもない。だから、逆に新しいことがで
きそう」というアサダさん。自らをノマド的というが、納得。
③職住公一体
「職」と「住」が強く結びついているのは、アサダさんがフリーラ
ンスで動いているからとも言えるけれど、住み開きは「住」と「公」
を結び付ける暮らし方。そう考えると、誰もが「職」「住」「公」の
ボーダーをあいまいにした生き方ができる。そこから、働くこと、暮
らすことの違った意味が見えてくるはずだ。
まちなみシンポジウム in 大阪
多世代交流によるコミュニティー再生
主催: (一財)住宅生産振興財団、日本経済新聞社
(一社)プレハブ建築協会関西支部
以上、いただきましたレジュメの一部より