木漏れ日の家で

木漏れ日の家で  2007年 ポーランド
Time to Die
PORA UMIERAC

監督 ドロタ・ケンジェジャフスカ
出演 ダヌタ・シャフラルスカ
   ロベルト・トマシェフスキ



http://www.youtube.com/watch?v=CMmty_a59KE




ワルシャワ郊外の緑に囲まれた木造の古い屋敷。
その家で愛犬と暮らす1人の女性、アニェラ。
91歳。


幻想的に描かれる、老婦人の生きる姿。


ガラスで覆われた、今にも倒れそうな屋敷。
これほどまでに、壁面にガラスを多用し冬の季節を越すことが
できるのだろうかと、不安になる。


夜になると雨戸が登場、雪が降っても大丈夫か。
デブ女と虐められている、孫と同居の話を持ち出すのが痛々しい。
女性としての支えを忘れ、家族から取り残された会話が続く。


モノクロ映像。
ガラス越しに、過去の出来事を回想する。
ゆがんだ姿、おぼろげな俳優の顔が映る。
主人公の顔も、ガラス越し。


何をしに立ち上がったのか、そのわけを忘れてしまう。
日常の、今までやっていたことが、できないようになる。
記憶を遠ざけて、いまの老いをいかに受け入れていくか、自分の話でもある。


音楽を奏でるスピーカー、は見える。
新聞やテレビに換わる、情報文化が見当たらない。
社会との接点が、見えてこない。
これが究極の、1人暮らしかもしれない。