あなたの可能性
あなたの可能性
私が生まれたとき、体重3キロあったという。小学校の学芸会では、髭を生やした大人の役をするぐらい太り始めた。身長は、その時代から変わらず160センチ。肥満は、すべて否定的なものをはらんでいた。運動が苦手、リウマチを罹っていた。
父親から勧められたのは、剣道。練習に通ったが、試合に負けてしまうとやる気を失くした。頭で考えることだけは、先へ進む子どもでした。漫画が好きで、貸本屋によく通った。台詞の書かれている漫画は、好きでなかった。
その漫画の読みで、漢字の意味や読みが予想できた。漢字が読めないと理解できない漫画では、幼児や少年層の読者を取り込めなかったのではないか。
小中高と学んだおかげで、教育という姿を眺めてきた。教わるだけですませず、教える側の立場になって、考える時期があった。2013年、スマートフォンにうつつを抜かしている人の電車風景を見て考えこんでしまう。
イヤホーンから音が漏れて、人前で鏡をもちだし化粧する。マクドの紙袋からフライを食べながら、コーヒーを飲む。かつて車内でたばこを吸っている時代がありました。電車では、匂いが充満するのです。
数か月前を思い出してください、酔っぱらい客でもないのに電車の地べたに座って、恥ずかしくなかった青少年・大人たちがいたのです。
公共場所のルールが、これほど著しく変わる国ってないでしょう。新興宗教が数限りなくあり、経済上優遇されている国は、日本しかありません。慣習が確立しないコミュニティは、この先言論分野で規制されていくのではありませんか。
同乗者を人として扱わず無視をする、それがどういうことを意味することか考えたことがあるでしょうか。顔をスマートフォンに寄せて、周りの人に注意を払わない。それは人前で、夏も冬も白いマスクをする時代性と連なっています。
赤の他人でなく友達同士でも、同じように見受けられます。数人の友達が集まって、傍らでゲーム機やスマートフォンを動かしているのです。これは青少年だけの事でなく、立派な大人がやっているのは誰でもご存じでしょう。
自分が大切にしなければいけない人の前で、してはいけないことをやっているのです。人生はあまりにも短い、同じ時代を過ごす他人も同じなのです。恋人の前で、相手の顔を見ないで会話をするなんて宇宙人そのものです。
ゲーム機やスマートフォンの源は、ラジオやテレビです。テレビを抱えたまま、恋人と会話をするほど時間に追いまくられた、時代がかつてあったでしょうか。
新聞やテレビを見ない人たちが、小さなボックスに閉じ込められている姿が見えてきます。そのボックスによって、あなたの可能性は奪われているのです。