約束の写真

約束の写真   2013年  ドキュメンタリー  長島義明 



「また、おいでよ」。

みんな笑顔で手を振ってくれた。

「写真を届けにくるよ、約束だ」。


34年ぶり、アフガニスタンの地に戻った。

戦火にまみれた歴史を刻んだ、人民と地域。




アフガニスタンという国が、どんなものか想像できない。

いま、閉ざされているという国?ということが、

人を引き付けるのかもしれない。



撮影を制限される、旅の映像。

女性の写真が、ことごとく拒絶される社会。

旅人との交流を避け、閉ざされた町かもしれない。

未知の国ではなく、かつて訪問した町であることが監督の心の支え。



2008年発行された写真集を携えて、写真に映っている子どもたちを

追って、ひたすら探し求める。

監督は、このとき69歳、この国の平均寿命48歳(2011年)を超えていた。



我慢の年を過ごし、危険を冒しても乗り越えることができる、

賭けてみる年齢を迎えていた?



貧困と医療が目につく国のようす、映像でした。

なかでもメガネの存在が。

識字率が低いこともあるでしょうが、情報が行き交っていない、

読書がされていない文化を表しているかのようです。



子ども時代の写真を渡し、知人が映っているか、

アフガニスタンの住民に尋ねます。

彼らは眼を絞り、食い入るように顔を見つめます。

しかし、その手にはメガネも虫めがねもない。



ネット社会に程遠い、現実のなか生活しているのです。

ある意味で鎖国状態の、一片をみる思いです。



2011年、再訪したアフガニスタンでの出来事を編集し、
今回2013年、映画を発表した。


2001年、アメリカ同時多発テロ事件を受けて、アメリカが空爆を開始、
イギリスも参加、アフガニスタン紛争が起こる。
日本も深く関わっていたことから、いつまでも第三者の振りをしていられない。


隔離された関係であるかのような、日本と中東の国々。
異質の文化を抱えながら、お互いを引き付ける何かがありそう。