百万円と苦虫女

百万円と苦虫女   2008年  日活

監督 タナダユキ
出演 蒼井優
   森山未来


鈴子は短大を卒業して就職もできずに、仕方なくアルバイト生活を送っている。
そこへ事件に巻き込まれてしまう




観るのを何回止めようかと思ったか。
ありえないという展開ではなく、映画を観ている方が「いらだつ」。
そのひとつが、主人公の髪の長さ。
髪に対する、監督の思いがうっすらと伝わってくる。


高いハイヒールに長い髪。
これでシングルマザーなんて想像できるだろうか。
それをやってしまっている、現代。


主人公の女性が、受け答えにはっきりしないというセリフ。
この発想に最後までついていけなかった。
学校生活・社会に出てからでも、自分の意思をはっきり伝えることから
集団が成り立つ、それを度外視し、人物の個性を表現をしようとしている。


ネタバレになるが、百万貯まると職場を変えるという設定。
三人で部屋をシェアするという時代。
2、3年働いて貯められる金額ではない。
どこかちぐはぐしている。


刑期を終えるシーン。
罪を犯して塀の中に入った経験はないが、髪の長さは制限されるだろう。
少なくとも、自殺ができるような髪の長さは許されるはずがない。


いまほとんどの女高生、生産年齢対象者の髪が長いこと。
働いている側からみて、髪の長いとどう受け取られるか、
想像できていない。
いま私たちが生きている時代は、働くということを基準にして、
社会が動いていない、それを感じさせる。


会社の面接で、長い髪の女性が受けているでしょうか。
本人だけでなく、母親の労働観が裏にあります。



http://www.youtube.com/watch?v=HuRva53zsQI