ショック・ドクトリン

ショック・ドクトリン  2009年  イギリス (日本初公開)
The Shock Doctrine


監督 マイケル・ウインターボトム
   マット・ホワイトハウス
原作 ナオミ・クライン

<惨事便乗型資本主義>のつくられ方
ショック・ドクトリン」について

20世紀の一時期、世界は資本主義から社会主義へ移行し、より平等な
社会がやってくると信じる人々がいた。しかし実際は、歯止めのきかない
貪欲な資本主義が甦ってきた。1970年代に台頭した暴力的「市場原理主義
の路線は、ガンのように浸潤し増殖していった。

ナオミ・クラインは、「ショック・ドクトリン」大著で、その歴史ーチリの
クーデターに始まって、ソ連の崩壊、イラク戦争等々の歴史的なショックの
実態を暴いた。彼女は歴史思想家だけでなく、戦争や自然災害などが起きると、
その<現場>に行って調査するジャーナリストでもある。
それが同名のドキュメンタリーを生み出した。1%が99%を支配する社会が
どうして作られたのか。
映画は、そのまま3.11後の日本の現実と重なる。
本邦初公開の傑作。(木下昌明)




http://www.youtube.com/watch?v=6iGLifiaUmE




製作が2009年なのに、日本で公開されていない。
利殖に心を奪われている、ご時世なのに自主映画の波が起こっていない。
なんとも不可思議な、兆候ともいえる。


このドキュメンタリーをぜひ見ていただきたいのが、311の被災者。
腑に落ちます、日本の社会に。