一人暮らしの連鎖

一人暮らしの連鎖

病院の検査に、食事量を少なくし血糖値を抑えていたのだろうか。母は、食べるものを制限しては、自分で血糖値を測っていた。下には娘一家が住んでおり、好きな食べ物を控えて特別の料理をしてもらっていた。

後に仲たがいをしてか、週一で私の泊りを喜んでいた。外へ出て買い物をすることもなく、私が戻るのを待ちわびていたのだろうか。最後に、二重鍵で開けられないため家に入れなかった。心の底では、娘が下にいるのという思いがある。

その母は、父との喧嘩で外へ出て行くことがあった。マンションを買って住む決断をした。事前承諾として子供二人に相談をしたが、大人であれば「やめろ」なんて言えない。何を思ったか、荷物を持って引っ越した。

両親は働いていなかったと思う、とにかく部屋を出たかったのだろう。晩年それを手放す破目になり、子供たちはとばっちりを受ける。後悔する母が言う、どこか遠くへ旅にでも行けばよかった。住むというより利殖や、お金に余裕がある高齢者であったのかも。

子供たちに夫婦喧嘩を散々見せつけては、別居のような期間もなく、父が病院暮らしをするようになっても離婚しなかった。まず離婚をしてから家を購入し、新生活を始めるというパターンを踏まなかった。

病んだ父を介抱する母に、声をかけたこともある。病院で泊まり込みの看病をする、「しまいには身体を壊しますよ」「共倒れになりますよ」と注意をしたぐらい。母の気力で父は転院できるまで元気になった。

両親に離婚を勧めていた私は、子供の親権なしに離婚状を突きつけられた。両人が家を出ていくことが叶わず、家庭内離婚状況が数年続く。子供を連れて引っ越しをされ、一旦部屋はすっきりするが、いつの間にか、ゴミだらけ。父の日には、プレゼントを抱えた娘が、部屋に入らなくなった。

家族に夢を託すようなこともせず、自分だけのことを中心にものを考える。やりたい時にやれるように、自分の時間を過ごしたい。両親から頂いているDNAを大事にしながら、何とかして別の病に罹りたい。同じ病歴は避けたい。父母の病歴を克服し、異なる新たな死亡原因を作りたい。タバコ中毒もいや、アル中もいや。エイズもいや。

モノに支配されて、部屋を片付けるのに苦労しています。一緒に動いてくれる人はいないでしょうか。誰かルームシェアできる人は、どこかいないでしょうか。

日本中、一人暮らしの生活をしている方が、全国大勢います。
結婚というスタイルでなくとも、お互いの力で助け合うことができそうに思うのです。
家族という形式に縛られない。