これは誰の危機か、未来は誰のものか

Whose Crisis , Whose Future ?

Susan George

これは誰の危機か、未来は誰のものか

なぜ1%にも満たない富裕層が
世界を支配するのか

スーザン・ジョージ
訳 荒井雅子
岩波書店  2011・12・21

p79
AGRAはこの先10年間で、従来方式育成と遺伝子組み換えを合わせて1000種
の新種作物導入しようとしている。
遺伝子導入バナナ、トマト、ジャガイモ、イネは特に研究が進み、遺伝子組み換え
トウモロコシと綿花はすでに植えられている。
AGRAはまた、「農業資材取引業者」のネットワークを構築し、種子や肥料(ノルウェー
企業ヤラ社が供給)などの資材を流通させる。
モンサント、シンジェンダ、デュポンの業界三社。

p7 同心円
限りある美しい地球とその生態系が一番外側の円にならなければならない。
最終的には地球の状態が内側にある他のすべての円の状態を包み込み、
決定するからだ。
私たちを牢獄に閉じ込めている危機の根源をたどれば、意識的にせよ無意識
にせよ私たちがどのような優先順位をつけているかに行き着く。

以上。


図書館から3か月連続して借りて、何とか読み切った。
よくこのような思考ができるものだと感心、深い考えだと思う。

ベースにあるのは、限りある美しい地球とその生態系。
このまま地球は存在し続けることができるのか、そういった疑問を解き明かすことが
できるかのようなお話だった。

こういった学問が、個人的なものではなく、国として対処しなければならない時期。
にも拘らず、国は経済に目を奪われている。
学問が経済に支配されているのを、示すかのように書かれている。

気候がめまぐるしく、変動しているからこそ、「自然」の現象に目を向けなければならない。
地球上の空気にどんな変化が生じたか、それを知りたい。


2011年、地球上に大きな変動が生じた、にもかかわらず、この本に書かれていない。
翻訳をする前のタイムラグかもしれないが、放射能のことは一切書かれていない。
放射能とは、経済と政治の世界に取り込まれた旧知の部分なのだろうか。