日本の悲劇

日本の悲劇  1953年  松竹

監督・脚本 木下恵介
出演 望月優子
   桂木洋子
   田浦正巳
   高橋貞二

ゆがんだ社会を激しく告発する木下恵介監督の怒りと祈りのメッセージ。
戦争で夫を亡くした春子は、戦後の貧困の中、
生活のために身体を売ったことすらあった。
彼女にとっては、わが子ふたりの成長だけが生きがいであった。
しかし、ふたりは母の過去の商売を知って反発し、
何かと反抗的な態度をとるようになっていた。




大上段に構えた、大きな題。

時代の波か、選挙活動のシーンが流れてくる。
ふたりの子どもは、それなりに高い教育を受け職をもっている。
失業という問題を挙げなかった。


戦後と、あとの日本経済の成長直近を表している。
闇米に奔走する、回想するシーン。
回想の場面が映写されると、音もなく台詞なしで流れる。
そのことが、なんとも新鮮に感じられる。
こういうやり方が、集中しやすいやり方か。


シングル・マザー
職場で板前さんと春子が、やりあう場面がある。
終わりまじかに殴り合い。

子どもを育てたり働くうえで、まわりの人の支援が少しでもあれば、
休まったのではないかと。


政治の腐敗や経済の貧困、何も変わっていません。
誰かに頼ってみて、何も解決はしないことはわかりました。