纏足ー金色の蓮花靴は10センチ

纏足ー金色の蓮花靴は10センチ   2004年 カナダ・中国
Footbinding:Search for the Three Inch Golden Lotus

監督 ユーチン・ヤン Yue-Qing Yang

なぜ多くの中国の女性が、この纏足という風習に耐えてきたのか?
纏足の母と叔母を訪ねて、取材のためヤン監督は帰国します。

実はこの作品は北京会議で上映予定でした。
しかし、「中国の恥」といわれて上映できませんでした。

纏足は、1000年中国女性を縛ってきた。
中国で生まれ育ち、文化大革命後カナダに渡った監督が、中国を訪ね纏足を追求したドキュメンタリー。
監督は、カナダの展覧会で「黄金の蓮花靴」をみて、興味を持つ。

母と母の姉である養母を思いだし、スタッフを連れて帰国する。
纏足していた老女たちは、醜くて汚いと素足を見せない。

ネットで映像作品を検索したのですが、見当たりません。
纏足に関する情報が、行き渡っているようです。

足を包帯で捲くイメージだったのですが、道具である靴を表にして
美を求めた風習のようです。
1000年続いてきたというのは欠かすことができない、必然性があったということでしょうか。
経済面から、もっている者ともたざる者の立場が、長い間変わらなかった。

4〜6歳になると娘は、母親から押し付けられて纏足になる。
母親の美学に、何も知らない幼子は強いられる。
目的は、美しい足、よりよい伴侶を見つけるためか。

ヤン監督は、長い旅を続けるうちに、溝にはまって足をくじいてしまう。
その映像もあわせて、記録として残されている。
皮肉だとも思えない、太極拳を編み出した文化が<はだし>を大切に考えなかったとは。

靴に縛られている足、既成の靴しか与えられない足。
美とは、健康を阻害するモノなのか?

1000年続いた風習、男社会が続き、経済的支配が変わっていない。
足の健康が守られていない、いまも受け継がれている。
中国だけの話に終わらず、足を束縛するものとして、ハイヒールが頭に浮かんだ。

監督の義父母は、ひとりで立ち上がること、歩くことが難しくて焼死した。
夫に裏切られて追い出された女性の話、「纏足で動けなくて、赤ん坊におっぱいがあげられない」。
身体を犠牲にし、支配されることを望んだ結果、動けなくなる運命を背負う。

美を追求するのなら、親から強制されてやるものではない。

http://www.youtube.com/watch?v=hqRcD8Cpucg