ヒアアフター

ヒアアフター アメリカ 2010年
HEREAFTER

監督 クリント・イーストウッド
出演 マット・ディモン
   セシル・ドゥ・フランス
   フランキー・マクラレ
   ジョージ・マクラレ

311の影響で、日本公開中、急きょ公開映画中止。

パリのジャーナリスト、マリーは恋人と東南アジアでバカンスを楽しんでいた。
だが津波に襲われ、九死に一生を得る。
死の淵をさまよっていた時に見た、不思議な光景が忘れられないマリーは、
臨死体験を追求し始める。
霊能者として活躍していたジョージ、いまでは工場で働いていた。


http://www.youtube.com/watch?v=Sf9gRokFIRM


短すぎず長すぎない、程よいほど描かれる津波のシーン。
震災を連想させる、どす黒く汚れた海と澄み切ったきれいな海。

公開中止がかなった措置だったか、どうかそのどちらでもない。
それほど重要視される場面だろうか、そうは思えない。
最後ジョージはマリーと、キスをするイメージを描く。
そのあとジョージは、マリーにテーブルへ誘う。
マリーの顔を見て、将来のことを頭に<キス>を連想したよう。
その道の研究者と霊能者が寄り添うように近づく、その意味がつかめない。

日本公開を途中で遮っても、大した影響を与えてはいない。
手を握りカウンセリングをする場面、ばしっつ、ばっしっ!
真っ白い、白い画面になる。
これこそ電磁波、電流を想像させる。

宗教国家、アメリカで「死んだらどうなるの」という質問が出ることがわからない。
教会や学校施設の守備範囲は、どこまでなんだろうか?
道徳とか生活に密着したテーマが、繰り広げられていると思うのだが・・・。

マット・ディモン 撮影当時41歳。
高齢者社会と謳われていて、年齢の示す社会性がわからない。
映画の中で語られる年代に偏りを、どうしても感じてしまう。
クリント・イーストウッド撮影当時81歳。
スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮当時65歳。

給料をカットされるジョージ。福祉局から逃れようとするマーク一家。
経済の一部を語ろうとするのだが、本質をついていない。
まるでスピリチュアルの世界を説明するかのよう、現実から離れたところへ
<お金>経済から閉ざされた空間だけの話にすぎない。
この映画の誕生自体が、スピリチュアルそのものを感じた。

書籍や映画、情報を伝達するに、それなりの経済力を必要とする。
それが各年代層が持っている、既得権益で守られていたもであったりする。
保守層であるからこそ、一方的な発信ができるかもしれない。
経済的な弱者の意見や情報は、いつまでたっても流れない。

帽子を脱ぎなさい、兄に渡し返しなさい。
グリーフィングに差し伸べる声は、人の視線を遮る目深な帽子ではなく、
己の顔を人に見せる、自己開示する手だて<帽子>を脱ぐことでした。

飛んでしまって、
脱原発に市民の声は一極集中しているのですが、
街角の声や、国・企業の声は、
お金の世界でうごめいている、それが現実です。

http://www.youtube.com/watch?v=xDnHfQtH0zU