7 DAYS リベンジ

7 DAYS リベンジ  カナダ  2010年
LES 7 JOURS DU TALION

監督 ダニエル・グルー
出演 クロード・ルゴー
   レミージラール
   マーチン・デュブレイユ
   ファニー・マレット
   ローズ・マリー・コーリア
   アレキサンドル・ゴイエット

娘の命を奪われ、悲しみに暮れる父親の中で静かにこみあげてくる怒り。
やがて法律では犯人を裁ききれないことを知った時、罪を償わせるための
壮絶な7日間が始まる。

カウンターでの射殺シーンからの物語、なぜここから展開するのか、
その意味が分かり始めるのが、後半部。
同じ犯罪被害者だからわかる、胸のうち。

ここまでしなくてもいいのではないかという、あいまいとした感情を持ってしまう、
それは復讐劇としてではなく、映像表現として許容できるかできないか範囲。

さしずめ日本ならR15になるだろうし、現にこの放映もモザイクされている。
サスペンス作品として扱う、流れがいまふうです。
手術、医学からいっても、「血」を見る場面があります。

ホラー・バイオレンスというジャンルで括ると、巡り合わない作品でした。
復讐劇の1幕として、手術用のナイフを握るとき、
浴びるように酒を飲みながら、躊躇する場面があります。

生業として社会とかかわっていたものを、自分のためとはいえ
復讐に用いることへの、戸惑い。
それを追い払うには、酒しかなかった。

ホラー・バイオレンス作品が、考えをまとめるために絶好の場所
を提供してくれる。
同時に、いまこの社会で暴力という面から、悩まされている時代であることを
再認識させられます。
ホラーやバイオレンスは、平和だからこそ求められるのです。

行き倒れの鹿が気になって、復讐する父親が自分の視界から遠ざけようと
死体を移動しますが、繰り返すごと手元に戻ってきます。
娘への愛を妻に忘れるよう望んでいても、自分の記憶を取り払うことができない。

ここまでリアルに描写しなくてもいいのに、
そういう甘いことを考えてはいけない。
愉快犯罪、レイプ、暴力。
こういうことをあなたは好きですか、望んでいますか?

犯罪を受け入れますか、戦争を期待しますか?
暴力というものは、こういうもんなんですよと、
語りかけているような映像だった。

この映像が、限られた人しか見ることができない。
そういう社会こそ、ゆがんでいると思う。
無料映画より。


http://www.youtube.com/watch?v=T1JFIb5YD8M