リアル鬼ごっこ

リアル鬼ごっこ  2007年

監督 柴田一成
出演 石田卓也
   谷村美月
   大東俊介
   松本莉緒
   柄本明
原作 山田悠介

”佐藤 ” 姓の人が相次いで亡くなるという出来事が起こっていた。
ある日、高校生佐藤翼は、不良グループに追われ、気がつくと
パラレル・ワールドの別の日本にいた。

http://www.youtube.com/watch?v=vn4zfa5kdjI

生と死の間に、このような世界を築くことがどういうことなのか?
名前という、他者にとって不確かな存在であるにもかかわらず、
死へのいざないが訪れる。
死とは、なんぞや。

このリアル鬼ごっこのシリーズが、5本作られた。
とても見る気持ちが起こらない。
心満ち足りない社会を丸写しにした結果、少年たちに求められている
のがこの映画ではないか。

興味をひかれるのは、描かれている内容が、原作とは違うというコメントが
視聴者からニコニコ動画へ寄せられたこと。
原作に人気があり、小学生にも広く読まれているという。

漫画か、劇画、小説か。
日本の社会で親しまれている文化が、こういうものだという側面を知らされた。
映画化されるのが、遅かったということなのか。

主題は、王と称する権力者が人を雇って「殺人」を依頼すること。
殺人をする、その大義、根拠はない。
「マスクをかぶった」殺人をする者の、その心境を語る場面がない。
ただの意思のない無機物、殺人ロボットにすぎない。

なぜ今、こんな世界にはまってしまうのか?
その理由を知りたい。
しかし、全力で逃げ走るのは、人として好ましい運動だ。
自転車ではかなえられない、新陳代謝を高める作用がある。
メタボなど生じない。