女殺油地獄
女殺油地獄 2009年
俳優や作家、舞台演出で活躍する坂上忍監督が、
古典的傑作を大胆に解釈して、描き出す。
http://www.youtube.com/watch?v=ZWPXZ0QTRzM
伝統や文化を大事にする社会って、こういったことか。
原作を読まず、何ら予備知識なく映画を見る。
ニコニコ動画で見る意味を、しかと体験できた。
映像にもしくは、PC横に流れるコメントをウザイと思っていた。
このコメントが、映像そのものに面白いものを投げかけている。
見ていてわからないもの、何を表そうとしているのか、映像作家の
意図するところを問い詰める。
視聴者が理解できなければ、すぐさまコメントが出てくる。
この反応はすさまじい、視聴者は1人で終わらず同じ気持ちなって
共感を持てば続々とコメントが流れる。
繰り返し見ながら映像の編集をするより、このコメントを参考にして
映画を作る方がもっと的確な処理ができる。
”心から”と役者が台詞を吐くと、カメラは遠景で役者を映したあと、
役者が胸に手を当てるのを<別の角度・高い位置から>アップで捉える。
何だこの意味は、「心とは胸にある」そう説明なのかと思ってしまう。
脇差を持った男女が揉まれて、女性が倒れた。
胸に傷を負ったのであるが、自ら刺したのか刺されたのか、わからない。
「わからない」とコメントが流れて、映像を見続けていても「解答」が出てこない。
どっちでもいいことではあるが、映像を見る限り、視聴者が認める共通の
答えがほしくなる。
映像に対する信頼と、期待が強すぎる。
人前に刃物を持ってやってくる人物の、大本の目的は人を殺めるためであって、
自害するならこっそりとするもの。
意欲的な作品だと思いますが、聴衆には理解されていないようです。