サバイバル・ジャパン〜3.11の真実〜


サバイバル・ジャパン〜3.11の真実〜  2013年 
3.11 SURVIVING JAPAN

監督 クリス・ノーランド

http://www.youtube.com/playlist?list=PLDA0310690AE5014F

日本のメディアが報道しない東日本大震災の真実。
原発の実態をアメリカ人監督が斬るドミュメンタリー。
オノ・ヨーコが楽曲を提供。
東日本大震災のボランティアに赴いたアメリカ人が、衝撃の実態を世界に
伝えるためにカメラを持ち、取材をする。

最初の字幕を読みながら、映画を誰に見せようとしているのか考える。
2011年の大震災時から1年足らずの追跡レポート。
旧知の情報だと思っていたが、視線が他の作品と異なる。

英語の字幕ではなく、ほとんど日本語で登場者の声が流れる。
2013年製作のクレジットが流れ、2013年の今映像をみても
知っていない話が続々と聞かされる。

日本人として恥ずかしいが、テレビを見ないということで叱責を
受けるようなものではない。
まさに被災者の声が、国民に投げかけられていない。
取材者が外国人ということで、胸の内を隠さずに語られたのだろう。

「災害救助法」を知らなかった、被災者としての権利はなかった」
「行政は私たちに、何ももたらしてくれなかった」
「コミュニティがない者には、何の手もさしのばしてくれなかった」
「所属する組織を持っていない者には、何もしてくれなかった」
「簡易施設に入居すると食料が支給されない」
「設備に入居すると、一週間の食料さえ支給されない」
「食事をとって避難所で暮らすか、食料を選択せず住居をとるか、どちらかだった」

こんな話は、一切聞いていない。
私だけが、知らない事実なのか。
ここで日本人である誇りを失った人がいる。
社会の貧困でしかありえない。

戦時の滅私奉公のこころが、現代人に受け継がれているという、
コメントが加えられる。
最大の被害者、被災地の子供たちを犠牲にして避難を阻止している
現状が語られる。

誰を対象にしてこの映画が作られたか、その疑問につながる。
日本人が日本語で語っているようで、日本人全体に伝わらない。
マスメディアの代役として、外国の支援でこの映画が生まれた。

なんとも恥ずかしいこと。
同じ国民が苦しんでいることをわがことのように、
思い悩ます市民がいなくなった。
そして国や自治体が、市民の気持ちに寄り添うことができない。

それが映画が示すところで、この2年間の空白の時間を証明することに。
空白の時間は、これからも〜。