未来の食卓

未来の食卓 フランス  2008年

監督 ジャン=ポール・ジョー
出演 バルジャック村の人々

ショーレ村長は子供たちの未来を守るため、学校給食と高齢者の宅配給食をオーガニックにする、
という前例のない試みに挑戦した。

結腸癌を患ったことから食に興味を持つようになった監督、ジャン=ポール・ジョー。
食を取り巻く環境や事象を振り返る。
学校給食をオーガニックに立ち上がろうとする南フランスのバルジャック村。

農業に使う農薬と、村人の健康を脅かすガンとが関係しているという。
農薬が環境を汚し、それがひいてはガンになるという図。
親の健康を、子の世代が満足に引き継げないという現象が生れている。
白血病、小児性がん、若年性ガンが、訴えられていたこの映画。

ガンの撲滅。
食の中に人の成長を阻む、要素が潜んでいた、不確定な化学物質。
そのことが村の人を、オーガニックに向かわせたかもしれない。
環境といえば、人の動きに焦点をあわせた、事象のすべてを検討する必要がある。
オーガニック。一足飛びに有機的な農業に政策を偏重するのがいいことか。
ハチが消えたら、4年後人類は消滅する、という未来を予測する見地から、
監督の眼が広く開かれることを期待したい。

地元の取材で<がんと白血病と聞いて>、フランスの原発所在地が気になる。
バルジャック村から40キロ近くに、クリュアス原子力発電所があるという。
ガール県のバルジャック村、人口1330人ほどの小さな村。
<未来の食卓>が、公開されたとき誰しも気にならなかったこと。
経済的に利潤的に取り残されてしまう。
いま日本人は、これからの食生活を真剣に考えなければ、飢えてしまう。