外泊

外泊 Weabak  韓国 2009年

キム・ミレ監督

スーパーで働く500人の女性のパートたちが、不当解雇や差別待遇に対し、店舗の籠城した510日の記録。

正社員派遣労働者ともども解雇というホームエバー社の、やり方に憤った。
小売り場、レジを封鎖しストライキに突入する。
2007年辺りの韓国経済と政治状況を描いている。

「おばさん」という呼び方が、女性たちの感情をいらだたせるという。
それが大変愉快に思う、当事者女性にしてみれば、労働者における差別と考える。
同時に「おばさん」というのは、歳をとったニュアンスを含んでいるため毛嫌いしているのではないか?
「同志」とか「奥さん」、名前を呼ばないところが、同じ労働者として見ていない。
同等ではなく、高い視線から見渡しているというイメージであろうか?

3、4か月とストライキが続き、同じ仲間が日銭を得ることがかなわず、自宅へと退く。
それを語るストライキ参加者が、マイクをもって仲間に話す。
観ている者が、涙をためるシーン。
ストライキをしているレジで、警察官によって排除される場面がある。
レジに座り込み、営業を阻止するのは女性ばかり、レジの周りに寝泊りを占拠する。

その座り込みを排除する、勇ましく感じた。
職場を占拠するのは、正社員・派遣労働者、そして彼女たちを排除するのが<婦人警官>。
婦人警官に、<あなたたちお母さんがいるんだろう?>と言う占拠者。
民間で働いている婦人たちと、婦人警察官とは年齢差が親子世代だということ。
年齢によって仕事を振り分けている、そういう社会なのだということを知らせてくれる。
世代間における断層は、韓国でも起こっているかもしれない。

いつの間にこれほど韓国と、日本が大差をつけてしまったのか?
政治経済、資本力と較べてみても、庶民のパワーが女性の力が断然違う。
海外に眼を向けている、女性の数にしても較べようがないのではないか?

労働組合の体制は。
こういう映画の大切さを持っているのだから、韓流ブームが起こるのは必然か?