未来を生きる君たちへ

未来を生きる君たちへ  2010年製作    デンマークスウェーデン
            2011年8月公開

スサンネ・ビア 監督
ミカエル・バーシュブラント 、 ウルリッヒ・トムセン
トリーネ・ディアホルム

アフリカで働く医師の息子エリアスが、苛めにあう。
それを見たクリスチャンは、怒りを胸に収められない。
原題は復讐、邦題では見よう思わない。

父親である医師は、スウェーデン人。
デンマークでは出稼ぎが多いとみられるのか?
幼児の些細な砂遊びを背景に、大人げない喧嘩につながる。
見せ場は暴力に対する姿勢を子供たちに示そうとする大人の姿勢に。
子供たちを連れて、暴力でなぎ倒そうとする男に接しようとする。
相手は、子供の前でも暴力を見せつける。

映画が訴える内容に共感するが、構成された環境に恣意を感じる。
医師の妻が同様に医師として従事している、にもかかわらず職場である治療室で喚きながら嘆きを演じる。
医師であれば、いくら我が息子であっても冷静を装うはず。
別居している夫婦が和解し、ベッドに挑むのだが誰もそれを望んではいない。

エリアスが父との約束を守らないで、古びたビルの屋上にクリスチャンと昇る。
そのクリスチャンは、事故で亡くなったと早合点をする。

医療に携わる人にとって、大切な話ではないか?
患者など周りの人に状況を知らせる、医療の当事者にとって情報を伝えることは、重大なはず。
警察や医療従事者は、何も告げなかった。
けがをした人を治療する医者からすれば、暴力の連鎖を絶つのも務めではないか。
復讐という行動ではなく、暴力になぜ向かわないのか、非暴力についての説明がほしい。
いじめ、虐待についても、そのことの意味を知りたい。

和解と冷静な対応を望んだ父親は、子供たちを連れて暴力的な大人の職場を訪れた。
この暴力的な大人は、職場でうまくやっていけない。
人と介して商売をするなど、社会的な交流の大切さを理解していない。


ツリー・オブ・ライフ  2011年製作   アメリ
            2011年8月公開
テレンス・マリック 監督・脚本
ショーン・ペン ブラッド・ピット
ジェシカ・チャスディン

勤勉で厳格な父に育てられた息子は、家族を受け入れらない。
若い頃弟に死なれたジャックは、子供時代のトラウマにとらわれていた。

「嘘を云っている。」
子供の見た目から、大人を描いている。
欧米の映画に必ずといって出てきた、教会のシーンがなかったような。
世界の趨勢が、次第に戦争の深みに入ってゆくようすが見られなかった。
1950年代から現代まで、宗教と戦争の関わりをなくして人生を語ることが出来るのだろうか?
<うそ>といって、野山を駆け巡るジャックに、徴兵制度はなかったのか。

ショーペンの名前に惹かれて選んでみたが、セリフの印象が残らない。
少年の演技がすべて、を占めた二作品になりました。
少女は、一瞬だけの登場でした。
演じた少年が、どちらの役に向いているだろうかと、考えながら映画をみました。
監督の要求した演技が、どんなに大変なものだったんでしょうか?