秘密保全法制

「秘密保全法制」緊急学習会

3月の国会に「秘密保全法案」(国家機密法の再来)が上程されます。

講師 井上 正信 弁護士 (広島弁護士会)

兵庫県弁護士 9条の会
自由法曹団兵庫支部
9条の心ネットワーク が催されました。


秘密保全法制の問題点
規制の対象
国の行政機関だけでなく、独立行政法人地方自治体、民間事業者、大学
秘密の範囲
①国の安全 ②外交 ③公共の安全・秩序維持
保全の対象=特別秘密
保有者本人の判断→恣意が入り込む余地が大きい

1985年スパイ防止法という名前で、衆議院議員立法で提出されました。
しかし、法案が一般国民の権利制限に直結する法律であることや報道の自由が侵害されることに対する懸念から、大多数のマスメディアが反対に回りました。
27年前の持ち上がっていたスパイ防止法と同じ法律。
そのことをお聞きして、かすかに思い出す。
その時は、日本ペンクラブなど、マスコミがこぞって反対をしたのではないか?
いまはSUPIDEIや議事録不作為など、政治による不正行為が日常化している。
その時に、こういう情報を保持しようとする流れが、どうして生まれるのか?

以前持ち上がった時には、マスコミが一斉に反対をしたのだが今回は声にあげない。
そのことが一番気がかりである。
あの原発事故、電力村に対する情報でも、幾ばくかの疑念を持ち始めているこの時期。
マスコミのメディア自体が、これほど反応が遅いというのはどういうことだろうか?
ますます混迷を深めてゆく、自律していかない道を歩んでいる。

マスコミ自体、組織とその構成員が、情報をつかみ国民に知らしめるという使命感を自覚しない者が大勢働いているからではないか?
新聞の部数が増えない、国民は情報を求めていない、だから媒体である新聞に何も書き記すことはないとうそぶいているのではないか?

前回のブログで肥田舜太郎先生の講演を聞きました。
広島で被爆した後、被爆者を治療しながら、その医学情報を他の人に知らしめることはGHQで阻止されたこと。
そして現実は、65年後いま肥田先生が声をあげられているという事実。
社会教育が充実して、情報が何でも取り入れられているといいながら、国民の知識として伝えられていない。放射能に対する科学が、庶民に伝わっていない。
医療の従事者が獲得した医学情報が、社会全体に行き渡っていないのです。
科学が科学として、国民に意識付けされていないことがわかりました。

同時にマスコミに働く、自意識を持っていると思われる人たちも明らかに劣化していると確信できます。

主要な情報漏えい事件の概要を資料としていただきました。
平成2年から平成22年まで、法律違反の対象者は公務員や自衛官ばかりです。
こういった公務員を育成してきた、組織の腐敗たる原因を追究しないで、法律で取り締まろうとするのならマスコミ・メディアを廃絶して独裁政治にすればよい。
国民に情報を伝えず、会議に意見を具申する必要もない。
国会を開き、議員が討議する情報も必要ないだろう。

国民主権をもって政治を行うために、国民の知る権利を担保するために、情報を公開することが先決のことなのに叶わない、国家を放棄するしかない。