それでも生きる子供たち

それでも生きる子供たち 2005年 イタリア・フランス
リドリー・スコットジョン・ウー監督
マリア・グラツィア・クチノッタ、
ビラ・アダマ

7ヵ国の映画監督が、「子供」の視点から自分の国の問題を見つめたオムニバス。

少年兵士を見たとき、この映画は好きな部類ではないと感じた。
新しい題が表示され、次々と主人公が登場する。
昨日、映画「父帰る」 
(ロシア・2003年・アンドレイ・ズビャギンツェフ)
で表情豊かな演技をする少年を見た後なので、我慢をしながら見続ける。
普段画面に子供が出てくると、演技に眼をそらしたい思いに。
感情の移入がとっつきにくいからか、兄弟の少年が映ると、二人の少年のどちらかの役柄に<ベターかベターでないか>
葛藤に入り込んでしまう。
まずい演技というより少年の一つひとつの動きに、良し悪しを考えてしまう。

父に不服を言ったことで、車から降ろされる。少年は殴られるような雨に逢いながら、その場に立ち尽くす。
父の運転する車が戻るまで、雨に打たれながら少年は待つ。
思ったことを素直に発言する少年、うらやましい。涙がながれた。

映画「幸せの経済学」でみた、映像と活字の反乱を見せつけられたあと、字幕におどかされなかった。
パントマイムのようにひとことのセリフが、新鮮に感じさせられた。
一瞬の間に、顔の表情が豊かに移り変わる、これが幼女の演技か。

中国の話。道路の廃棄物に糧を得ていた老人が、捨て子を家に引き取る。
幼女は、その侘しい住まいで老人の帰りを待っていた。
そのふたりが次なる不幸を招きよせる。
どんな境遇になってもたくましく生きる、少女が描かれていた。