幸福の経済学

映画「幸福の経済学」   The conomics of Happiness   2010年 
 アメリカ、ニカラグア、フランス、ドイツ、イギリス、オーストラリア、インド、タイ、日本、中国
 監督、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ、スティーブン・ゴーリック、ジョン・ページ

題名を聞いて頭に浮ぶものは、きまって身の丈にあった養生訓。
人生を歩むにあたり、後悔しない様に、自制心をもって動きなさい。
そのような話になると、思い込んでいる。

映像を観ているうちに、眠気に堪えられなくなった。
長い日本語の字幕についていけない、まして漢字が多く用いられている。
途中からかたこと日本語がきこえてくる、日本人の登場である。
数人が出てくる、この映画は日本に憧れているのか?

映像に注視するでなく、字幕に追われて中身を理解するまで至らなかった。
ごく常識的な日本人であるのなら、日頃悩んでいることからして、国民の価値観に関するコンセンサスは得られたものだと思う。
まして、3・11後であることから諸外国から賠償を請求される立場。
幸せについて最もクリアーなかたちで、頭に描かれているのではないか?2011・5・26?

モノを失う、家族を亡くす、思い出を流す、津波
友を失う、町をなくす、土地をなくす、命を失う。
原子力施設の崩壊。
すべての出来事が、いっときに訪れるのである。

映像か、字幕か、そのどちらでもない。
私が望んでいた、映画でもなかった。
作品を調べると、監督が三人、制作国が多数、これによって中身を想像すべきかもしれない。
少なくとも日本人がスクリーンに登場する映画は、物足りない。
そして原子力・経済のグローバル化を進めている、アメリカ産の映像にして居心地が悪い。
本で理解できないものを映像で確かめる、感情をこめた訴えを眼の表情で受け入れる。
英語で語られたナレーションが、日本語で字幕に翻訳された場合、これほど漢字を並べ立てられると制作の限界を見てしまう。
映像か字幕か、どちらかを選ぶべきではないか?
情報を伝えるための効果と、その経済的コストである。