こぼれる月

 こぼれる月  2002年


  
   監督  坂牧 良太

   出演  川本 賢二

       目黒 真希

       岡元 夕紀子
  
       岡野 幸裕





  映画のとっかかりから、ひきつけられる。

  落ち着きのない挙動、顔の表情。

  観客側から見えている様子を、出てくる演者が同じく

  見たように反応する。




  映画を観終わった後で、ほっとした。

  ケイタイ・パソコンの環境が、今と異なっている。

  様変わりに映るが、精神的なテーマについては

  日本社会そのものが深まってきているよう。




  描かれている展開に、納得いかないところがあり

  何回も繰り返すと、そこからこの映画を観たのでは、ないかと思うようになった。

  私から見ると、とても重要なことだと考えるのに、映画では素通り。

  



  登場する人物がほとんど精神的病に陥っている、他者からみれば

  その人物がお互いに好意を寄せ始める、それがわからない。

  医療の現場は知らないが、認知症と似通って「目」の表情から

  当人の意識が他者にわかるような気がする。

  好意というものは、『その意識』のようなもので、病にあれば

  感じ取れない領域で暮らしているようなものではないか。

  恋にはなり得ない気がする。




  その経験を繰り返すと、頭のなかで映画のように

  一度見たものを過去に観たものとはじき出すのではないか。

  記憶として、いつまで残りうるのかと思う。

  


  精神的な病に関して、広く一般化されてきたが、それに反し

  他者に対しての冷ややかな人の扱いを感じる。

  政治や社会的な機能が、形骸化され公務としての役割が果たされていない

  事から繋がっていると思う。バカな政権から。





  予算がないと声を挙げながら、公務員の数を増やすなど余りにも

  無責任すぎる。子どもの未来を考えることもできない、公務員が

  経過報告を遅らせながら年金支給額を即時に、修正するは国民を

  バカにしている。

  それも総選挙前に、物価も上げられない経済を

  頭に掲げながら、何ができると思っているのか。

  どこに「長期的視点」をもっているというのだ、これがお役人。




  にんきのことが気になって、何も手につかない。

  カネの算段ができないことが、この政府のやりとりからわかる。