ブリキの太鼓  1979年  西ドイツ・フランス

 DIE BLECHTROMMEL
TIN DRUM


  監督  フォルカー・シュレンドルフ

  出演  ダーヴィット・ベネント

      マリオ・アドルフ



  持ち寄りビデオ観賞会。

  ふぃと立ち寄った機会でみる幸せ。

  子役の演技に驚嘆します、そして早い成長を映像に残さないため

  急いでカメラを回したと想像させました。

  どこに眼を向けても、子役の顔が映っているのです。





  子役と同時に、映像化されているのが、戦争です。

  まさに今の日本、2015年5月喫緊のテーマ。

  戦争が描かれることに、その時代性を感じます。

  時代の大きなうねりを描くには、それなりのスケールが必要。

  素人目でも、映像をこしらえるのに大きな費用が掛かったことでしょう。





  対し全編に子役の演技が欠かさず、セクシャリティに惹きつけられます。

  清貧なイメージを求める世界から、大人の雰囲気を感じさせる。

  生の躍動。

  マクロの面と個人的なミクロな領域を併せて表現してみせる。

  両方を味わえることのできる、観客に育てたと思います。

  自然の中でたくましく生きる、それを抜きにして人間を描かれることはない。

  ラストの映像でした。






  3歳から成長が留まるという症状。

  奇声を発して環境を変えてしまう、奇異な特技を持つ人に。

  その状況をあっさりと受け入れてしまう、観客になった。

  観ている側も総じて、感性が豊かになる。

  3時間を決して、長いとは思わないしあわせ。








  https://www.youtube.com/watch?v=ZhwpM_AR6Hw







  1979年カンヌ国際映画祭で、パルムドール

  「地獄の黙示録」とともに。