パパの木
パパの木 2010年 フランス・オーストラリア
the Tree
監督 ジュリー・ベルトゥチェリ
モルガナ・デイヴィス
原作 ジュディ・パスコー「パパの木」
美しく雄大な1本の木を通して描かれる、
大切な人を失った家族の人生の物語。
突然父親を亡くした家族。庭にある大きなイチジクの木に
父親の存在を感じ、木に登り、話しかけるようになる8歳の娘。
最愛の夫を亡くし人生の目的を失う母親、それぞれに違った思い
を抱える息子たち。
1本の大きな木を通して、彼らの心の葛藤が、時にユーモラスに、
時に幻想的に、時に激しく描かれる。
https://www.youtube.com/watch?v=bB-pUrRPFvQ
見終わった後に、深い安堵を感じる。
これが多分、真実の話だからこそ、心に訴えるのだろう。
原作に力がある。
4人の子どもたち。
大人のことなど、何も大したことじゃない。
家族が一緒にいる、それが大事なんだ。
そんな単純なことが、忘れていく。
植物に霊をみる、この感性はまだ持ち続けている。
同じように感じる人がいる、ことだろう。
それが、フランス文化に残っていると思う。
日本はさらに、万物のモノに霊を見出す。
古くから日本人は、破壊を好まなかったにもかかわらず、
生産と破壊を繰り返していることになる。
映画の出だしに、建てられた住まいを移動させる仕事が描かれる。
昼夜交代で運転をし、大きな住居を運ぶ。
車で運びながら、家の両端に架かる小ぶりの木をなぎ倒す場面。
それが一度ではなく、二度映される。
描かれるテーマが樹でありながら、小さな木を倒す。
それをみて、パワーの映画だとつくづく思う。
その人のパワーを越えた、自然の風のエネルギーが
映画の終末を迎える。
気候変動は、いつでも起こっています。
一日でも、寒暖の差が激しくなっていませんか?