東京の宿

東京の宿   1935年  日本

監督 小津安二郎
出演 坂本武
   突貫小僧
   飯田蝶子
   末松孝行
   岡田嘉子


失業した父が、2人の子供を連れ、職を求めて歩く。
父子は、安宿で同じ様に職を探す母娘に出会う。






工場で働く、その技術を抱えているにもかかわらず、
門番から軽いあしらいをうける。



そんな父親をみても、子どもはその傍を離れない。
食うや食わずの、生活。
宿をとるか、飯を選ぶか二つに一つ。



貧しくても笑顔を絶やさない、父と子。
文句を言わないことが、家族としての心遣い。



夜の仕事、サービス業がよく思われていなかった時代。
酌婦、というのだろうか。
子持ちの女性にとって、職を得るのは大変。
同じ状況は、いまの社会も同じ。



旧知の女性とも、失業した父はめぐり会うのだが、
男と女の関係にはならない。
生活に困窮している人たちを支援する、
こころやさしい社会の芽といったものか。



子どもは、国の宝。
子どもを大事しない社会は、あっても仕方がない。