落第はしたけれど

落第はしたけれど  1930年  日本


監督 小津安二郎
出演 斎藤達雄
   田中絹代
   笠智衆


学生高橋らは、卒業試験のためのカンニングに夢中であった。
その準備は高橋がすることに決まり、高橋はワイシャツに
解答を写していた。


学生もの、就職事情を描いたもの。
足を軽やかに、ステップを踏む。
壁には、欧米の映画を飾る宣伝ポスター風。


当時はやりのデザインを見せる情報が、満喫されている。
映画は、いまの社会を伝えるニュースでもあったわけ。


トーキー時代になると、音響に曲の演奏が加わる。
役者が台詞を語るだけでなく、音楽に合わせて
輪になって踊るという図を考えるのも、しごく当然。


今もってこの種の映画を見ていると、耳もとになにも聞こえないのが
さびしくて、神経を集中しなければ、続けて観れない。
こんなものだったのか、映像文化の発展を垣間見する。