心理探偵 フィッツ

心理探偵フィッツ    ドラマシリーズ   1993〜1995年   イギリス
Cracker

監督 ホアン・ジェンチョン
出演 ロビー・コルトレイン
   バーバラ・フリン
   クリストファー・エクルストン


知的障害のある青年、ディーンは、淡い恋心を秘めていた。
拘留中に自白を強要され、ディーンは留置場で自殺をする。






ドラマは、2話か3話で構成されている。
1話50分、今して思えば長い間視聴することになる。

刑事ものテーマに、主人公が肥満体であることが象徴的。
主人公が喫煙と飲酒におぼれ、ギャンブルの世界に追い詰められる。
それでも、彼が他人の心理を分析する力が長けているという。


青年と娘を抱えた彼の家族は、人の心理を読むことができながら
自堕落な生活を変えずに、別居から離婚に移ろうとしている。


旅の中でも、外国の生活や文化・歴史を探索できる。
1990年代の庶民の生活や心情を、一瞬のシーンから感じ取れる。
台所や茶の間を覗いて、時代の空気を嗅ぎつける。


ひと仕事終わるごとに、パブに集まって打ち上げをする。
捜査の手順や、担当官の私生活まで入ろうとするカメラ。


自供の模様は録音されることなく、このドラマでは個人用のテープに
録音するというやり方が進められている。
当時、捜査のなかで、自白が偏重され扱われていた。
そのことに、やっと気づき始めたのが、日本だということか。


読み物の世界だけだとしても、警察内部で女性刑事が働いているのは貴重。
男だけで社会は成り立っていない、それを認識させる。


警察官が犯罪に巻き込まれて、被害を受けるという場面がつづく。
ざまぁみろ、路線が心のどこかに潜り込んでいる。

リークや汚職にまみれた世界。
愚かな警察は、愚かな庶民によって支えられているという構図か。
治安維持に、この種のドラマや映画は長く貢献していると思う。


頻繁に用いられるのが、テレビで報じられる公開調査シーン。
足を使っての捜査だけで、解決に繋がらないことを表している。
治安は、地域の人たちとともに成り立っている。



http://www.digitalspy.co.uk/tv/tubetalk/a382375/cracker-tube-talk-gold.html