さいごの色街 飛田

さいごの色街 飛田  筑摩書房

2011年12月25日初版第5版発行

井上理津子
1955年生まれ。フリーライター
大阪を拠点に人物インタビューやルポを中心に活動を続けてきた。
著書に「産婆さん、50年やりました」「大阪下町酒場列伝」
「はじまりは大阪にあり」「大阪名物」

遊郭の名残をとどめる、大阪・飛田。
社会のあらゆる矛盾をのみ込む貪欲で多面的なこの街に、
人はなぜ引き寄せられるのか!

取材拒否の街に挑んだ12年
衝撃のノンフィクション





311から数年経てど一向に変化が現れない、日本社会。
税金を払って、税金泥棒に遭っているかのよう。
その例が、国や自治体がまともな情報を流してこない。

情報を求めてセミナーや講演に出かけるというのが、日常化してきた。
ここにきて講演の主催自体が、何を志向しているのか皆目わからない。
講演なら1時間半から2時間半、その間に何を伝えいたいか、その真意を
参加者に伝えること、それが目的のはず。

スピーカーの人数が、講演の時間の割に増えてきた。
デモ行進や演説会なら、スピーカーは短時間の方が受けが良い。
しかし、訴えることが、短時間で伝わるとは限っていない。
中身の濃い、質の高い情報は、長時間を必要とする。

例えば大学の講師ならば、一時間半の時間だけでは伝わらない情報になる。
著名人で絶えずマスコミに出入りしている人ならば、2時間半でも足らなくなる。
そこにスピーカーが、増えてくる。

それが、参加者の人数を集める、お互いの意思を確認する、亡霊のような会合。
それも参加者に負担をかけ、参加料を集めることを前提にした会合。
会を催すための費用を捻出する、参加料だとわかっていても、1人当たり短時間すぎる。

主催者の意図がわからない、そういう会合が多くなってきた。
社会の閉塞感を表わすかのように、みんなの焦りの気持ちを表す。
官邸前にデモを繰り返しても変わらない社会、見透かしたように参加料を払わせる会合。
支払う金額に相当する、情報を提供しているのだろうか?
本当に求められている講演ならば、何処へでも提供しなければ〜。

311から2年弱、彼らは何をしてきたか?
それを伝える時間が、充分あったはず。
このあいだ・・・
あなたは、彼らの訴えを聞いたことがありましたか?