精神

精神 2008年 アメリカ・日本
MENTAL
監督 想田和弘
出演 山本昌知医師

こらーる岡山は、岡山県岡山市にある外来の精神科診療所。
現在も代表を務める山本昌知医師が中心になり、1997年に
設立された。
精神障害者が、病院ではなく地域社会で暮らしていくための支援
に力を入れており、牛乳配達をする作業所「パステル」や食事サービス
を行う作業所「ミニコラ」を併設。働いて賃金を得られる場を提供している。

こらーるは他に、希望する患者が泊まれるショートスティ施設「とまり木」
を運営。患者の在宅支援のためにヘルパーを派遣する「喫茶宅」も、
こらーるのすぐそばにある。

古い民家を利用した待合室は、畳敷き。
アットホームな雰囲気で、患者が自由に寝転がったり、お互いが談話したり
できる。撮影当時の待合室は、喫煙部屋、禁煙部屋、女性専用部屋などに
区切られていた。(現在、屋内は全面禁煙)

毎週木曜日、患者やスタッフ有志による活動者会議も開かれ、小旅行他、
会報「ユーとピア」の発行、薬の勉強会、地域社会との交流活動、講演活動
行政や政治家への働きかけなどを行っている。


Are you sane ?
正気、映画作家、観察映画が副題のように掲げられている。
編集をしていないかのような、撮り方を<観察>というだろうか?

登場シーンから声が明確に聞こえない。
患者だけでなく、診察する医師のセリフもわからない。
この映画に日本語字幕があるかもしれないが、その言葉に
あえて着目しない。

不遜かもしれないが、声を出して笑ってしまった。
処方される薬に行動を左右される、しかし体調は変わらない。
医者と薬は、セット・一緒でなければならないのか?
会話のセリフに、言葉遊びをしているように感じた。

のっけから異様に肥えている身体、と出されてくる薬の数々。
煙草を飲みながら、1リットルのコーラをあおる。
アルコールの類は見えない、医療施設。
この風景を見て諸外国の生活を連想する。

医療が携わっている領域とは、想像がつかない。
当事者本位の医療が、モットー。
そこには深い理由があるのだろう。

http://www.laboratoryx.us/mentaljp/index.php