ワヤンの夕べ

ワヤンの夕べ

ジャワの影絵芝居 ワヤン・クリ

京都、宇治市に冠水がおこり、JRが一時不通になった時です。
人身事故は普段ありますから、動じないですが、駅で人だかりになると約束の時刻に遅れるかと
不安になります。
現地へはJRと阪急が交通可能だったのですが、駅に入る前の<おしらせ>はありませんでした。
阪急なら稼働していたようです、悪い方を選んでしまいます。

京都へは、高槻まで各停、まずそこまで行って考える。
後には、さらに京都行の各停電車に乗り継ぎます。
新聞も読んでいないですが、冠水ってそんなに大変なことなんですか。
対策をなおざりにするというより、当たり前の出来事として受け入れられるのがこわい。

自然の驚異。
地球の気候変化、温暖化現象。
地盤が弱っているとして、片付けてしまいがち。

ワヤン・クリ
水牛の皮の透かし彫りでつくられた人形を白い幕(クリル)に投影しながら演じられます。
ワヤンは影、クリは皮の意。

ジャワの影絵芝居ワヤン・クリは、誕生祝や結婚式、独立記念日等の行事や村のお清め
などの儀礼の際に、夜9時ごろから翌朝5時ごろまで夜を徹して上演されます。

その様子は、まるで縁日の賑わいのような雰囲気で、人々の暮らしに息づいています。
ユネスコ世界無形遺産に登録されています。

浄瑠璃、歌舞伎も観ずに、影絵とガムランを聴かせていただきありがとうございました。
受付の前で会費を払うべきか、迷うのも無理はなかった。
貴重な経験です。
演者、演奏の方がお互いの姿を撮りあっているのを見て、プロではない。
日頃めったに演奏することはない、行事ではないことが想像されます。

日本でやるのなら拍子木のような、場面の切り替え時に<シンバル>のような楽器の音がします。
それを誰が鳴らしているのか、見た目でわかりません。
影絵のセリフ、登場人物のすべてを語っているのが、その人だろうと思っていました。
眼の前に見えるのは、影を動かし、拍子木を叩いている人です。

終わってみて、演奏者に<シンバル>の奏者を尋ねました。
影絵を動かし、声優を演じ、足と手で音を奏でているのがわかりました。
最低二人分の仕事です、後継者は難しいだろうと想像します。

たいへんなものを見せて頂いたと思います、観る機会を生み出すのは、何でしょうか?
貴重な芸術、めったに見られないモノ。めったに聞けないモノ。
会費、参観料、無料、行事。
お金が、文化を遠ざけてしまうかも。

演者の動きやワヤンの成り立ち、影絵で語られる内容。
小さな子供たちには、ぜひとも伝えたい説明があってもおかしくない。
それを云うに、軽食付きの夕べでは声に出せない。
会費なし、影絵芝居は伝わっているだろうか?