公共施設

公共施設

いまの時代、公営の企業と民間の企業の区別があいまいになっている。
その利点を生かしているのが、税金の補てんという作業。
国民から集めた税金・資金を、公的施設・民営企業に充てんする。
その公的施設を利用する、さらに庶民が使用料を支払う。

アール・ブリュット
アール・ブリュットは、専門の美術教育を受けていない作り手が、芸術文化や社会から距離を
おいて製作した作品です。
本展では、生物の形態の変容をテーマに、アンナ・ゼマーンコヴァーとルボシュ・ブルニーを
日本で初めて本格的に紹介します。
会場内のシアターで「天空の赤ーアール・ブリット試論」が上映されます。
と解説されている。

芸術という言葉を改めて考えさせられる、展覧会でした。
クレヨン・パステル・テンペラ・ボールペン・鉛筆・刺繍・紙・印刷された紙・カレンダー
などなど。
ほとんど <無題> Untitled の作品になっている。

芸術作品は、収集家によって集められそれを換金化するというイメージを持っている。
代価によってその作品を評価する傾向が強い。
すべて希少価値だと思う。
ところが作家は、お金を獲得しようとして作品を作り上げているとは限っていない。
希少価値でもって最後までやり遂げようと、意欲を持ち続けているのではないか?
自分が生きてきた証を、その画板に描き出そうと。
必ずしも生活の糧につなげようとはしていない。

作品群を見て、集中力・繊細な神経の持ち主・時間を最大限に使っている、仙人のような過ごし方を
していると感じた。
優先座席に座って、ケイタイにうつつを抜かしている、現代人とは異なる神経の持ち主だと思う。
作品を作って、何を生活の糧にしているのか?

その作品を見ようと、兵庫県立美術館を訪ね観覧料を支払った。
作者たちはルールなど、何事にもこだわらない。
あらゆるものを使ってキャンバス上に、表現しようと挑戦している。
作品を鑑賞する者は既成概念にとらわれ、それはないだろうと思う。
今まで芸術作品といわれたものは、何だったんだろうか?

会場に上がるためエレベーターに乗る、二つあるエレベーターは電力量削減のため一基のみ稼働。
昇るときも降りるときも、エレベーター室内に異臭がした。
それを受け付けの係員に云うと、一週間前から絨毯は変えているとの返事。
玄関では、自転車置き場が醜いのか、停めておく場所にロープで囲いをしている。
そのロープの外に我が物顔に自転車を置く、人たち。
玄関のオブジェ <芸術作品> の前に、ドカンと駐車する関係者たち?

これらすべて日本の文化だからそれでいいだろう、では済まない。
グローバルと声高らかに、海外の作品を集め展示しているのだから、
海外の人に来てもらって、恥ずかしくない働き方をしてくれないだろうか?
営利企業なら勝手も許されるだろうが、税金の資金はそうはいかない。
公共施設で働くひとなら、もっと意識をもって。